五十肩と肩の腱板断裂の違いについて

こんばんは副院長の高野信治です。
本日は五十肩と肩の腱板断裂の違いについてお話いたします。
五十肩の痛みを経験したことのある人のなかにはしばらくしたら治るだろうと考え放置している方がいらっしゃいます。
ですが放っておくと五十肩の40%に肩関節拘縮を認める報告があります。
また、五十肩と診断されている患者さんの約20%の方が肩の腱板断裂であるという報告もあります。
腱板断裂は五十肩とよく似ているため五十肩と診断され放置されてしまう場合があります。
腱板断裂は保存的治療では修復しないため、手術を要することもあります。
そのため肩の痛みは早めに鑑別して速やかに治療を始めるべきです。

五十肩と腱板断裂の違い
五十肩は肩関節包を中心にその周辺組織に炎症が生じた状態であり、腱板断裂は関節包の外側に取り巻いている腱の断裂した状態です。
肩の痛みは動作時痛と、安静時痛とがあります。特に安静時痛は、夜間痛として睡眠障害までも招いてしまう場合があります。
五十肩と腱板断裂との痛みの違いですが
一般に五十肩は初期では肩前方部分が痛みます。慢性期では後方部分に痛みを訴えます。
他方、腱板断裂は肩峰外側部の上腕部に痛みを感じます。その延長上の三角筋外側部に放散痛を訴えます。

肩の理学的所見
 五十肩と腱板断裂は、ともに初期は疼痛のため動きが制限されます。
しかし、異なるところは経過中に腱板断裂は五十肩に比べて関節拘縮といって肩が硬くなって上がらなくなるようなことが少ないことです。
治療法も違ってきますのでまずは放っておかないで受診をされることを勧めます。
最後までお読みいただきありがとうございました。