公開日:2025.12.29 更新日:2025.12.29

生理のような出血があったにもかかわらず、基礎体温が高いまま下がらず、妊娠検査薬で陽性反応が出ると、妊娠しているのかどうか分からず混乱してしまうものです。
この状態は、正常な妊娠のサインである場合もあれば、流産や異所性妊娠(子宮外妊娠)などの可能性、あるいは妊娠以外の原因が隠れていることも考えられます。
自己判断は難しいため、まずは出血の状態や体に起きている変化を正しく理解し、適切なタイミングで医療機関を受診することが重要です。
生理のような出血、続く高温期、陽性反応…この3つが同時に起こる理由
生理予定日ごろに出血があり、基礎体温も高いままで、さらに妊娠検査薬で陽性反応が出た場合、その出血は通常の生理ではない可能性があります。
妊娠初期に起こる着床出血や、流産の兆候、あるいは妊娠は成立したものの継続しなかった化学流産などが考えられます。
これらの状態では、妊娠反応に関わるhCGホルモンが分泌されているため、出血があっても検査薬で陽性が出ることがあります。
妊娠以外のホルモンバランスの乱れなども原因となり得るため、体の状態を正しく把握することが大切です。
「生理」だと思っていた出血の正体は?考えられる3つの可能性
生理だと思っていた出血が、実は妊娠に関連するサインである可能性が考えられます。
代表的なものとして、受精卵が子宮内膜に着床する際に起こる「着床出血」、流産のリスクがある状態を示す「切迫流産」による出血、そして受精はしたものの着床が継続しなかった「化学流産」の3つが挙げられます。
これらの出血は、量や色、期間などが通常の生理と異なる場合がありますが、見分けるのは非常に困難です。
それぞれの特徴を理解し、自身の状況と照らし合わせてみることが重要です。
可能性①:妊娠初期にみられる「着床出血」
着床出血とは、受精卵が子宮内膜にもぐり込む過程で、内膜の血管をわずかに傷つけることで起こる出血です。
すべての妊婦に起こるわけではありません。
一般的に、生理予定日の数日前から予定日ごろにみられ、出血量はごく少量で、ピンク色や茶色のおりもの程度であることが多いです。
期間も1〜3日程度で終わるのが特徴ですが、個人差が大きく、生理と見分けるのは難しい場合があります。
着床出血であれば妊娠は継続しているため、基礎体温は高温のままで、妊娠検査薬でも陽性反応が続きます。
可能性②:流産のサインである「切迫流産」による出血
切迫流産は、妊娠22週未満で流産の兆候(出血や腹痛)が見られるものの、妊娠がまだ継続している状態を指します。
出血量は少量から生理のような量まで様々で、腹痛を伴うこともあります。
この段階では、安静にすることなどで妊娠を継続できる可能性があります。
出血があっても胎児の心拍が確認できれば、妊娠は続いているため、体温は高温期を維持し、妊娠検査薬も陽性を示します。
ただし、自己判断は危険なため、妊娠の可能性がある中での出血は、早めに産婦人科を受診することが求められます。
可能性③:ごく初期の流産「化学流産」
化学流産は、受精はしたものの、子宮内膜への着床がうまく維持できずに、ごく初期の段階で流産してしまう状態です。
妊娠検査薬で陽性反応が出た直後に、生理予定日か少し遅れて出血が始まるのが特徴で、出血量は通常の生理と同じか、やや多いこともあります。
化学流産の場合、妊娠が終了しても体内のhCGホルモンがすぐには検知されなくなるわけではないため、出血中や出血後しばらくは妊娠検査薬で陽性が出続けることがあります。
その後、徐々にhCGホルモンが減少し、検査薬も陰性へと変わっていきます。
出血があるのに妊娠検査薬で陽性反応が出るのはなぜ?
出血が見られるにもかかわらず妊娠検査薬で陽性反応が出るのは、尿中に含まれるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが関係しています。
このホルモンは、受精卵が着床して妊娠が成立すると胎盤の一部から分泌され始め、妊娠検査薬はこのホルモンを検出して陽性・陰性を判定します。
そのため、出血が着床出血や切迫流産によるもので妊娠が継続していれば、hCGホルモンは分泌され続けるため陽性となります。
また、化学流産や異所性妊娠(子宮外妊娠)の場合でも、hCGホルモンは分泌されるため、陽性反応が出ます。
妊娠が継続しておりhCGホルモンが分泌されている
妊娠が正常に継続している場合でも、着床出血や絨毛膜下血腫など、様々な理由で妊娠初期に出血が起こることがあります。
出血があったとしても、胎児が子宮内で順調に育っていれば、胎盤からはhCGホルモンが継続して分泌されます。
このhCGホルモンが尿中に排出されるため、妊娠検査薬は陽性反応を示し続けます。
つまり、「出血があるから妊娠していない」とは一概に言えません。
基礎体温が高温のままで陽性反応が出ている場合、妊娠が継続している可能性は十分に考えられます。
化学流産後も体内にhCGホルモンが残っている
化学流産は、妊娠が成立したものの着床が続かず、ごく初期に妊娠が終了する状態です。
妊娠反応は一度陽性になりますが、その後生理のような出血が始まります。
妊娠が終了しても、体内で分泌されていたhCGホルモンはすぐにはゼロになりません。
ホルモンが体外へ排出されるまでには時間がかかるため、出血が始まった後もしばらくの間は、妊娠検査薬で陽性反応が出続けることがあります。
時間とともにhCGホルモン値は低下し、数日から1週間ほどで検査薬は陰性に変わるのが一般的です。
注意したい異所性妊娠(子宮外妊娠)の可能性
異所性妊娠(子宮外妊娠)は、受精卵が子宮内膜以外の場所(卵管など)に着床してしまう状態です。
この場合も妊娠は成立しているため、hCGホルモンは分泌され、妊娠検査薬では陽性反応が出ます。
しかし、正常な妊娠ではないため、少量の不正出血が続いたり、腹痛が現れたりすることがあります。
異所性妊娠は進行すると卵管破裂などを引き起こし、大量出血で命に関わる危険な状態です。
通常の妊娠と見分けるのが難しいため、陽性反応と出血、特に腹痛を伴う場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。
【妊娠以外】生理がきても基礎体温が下がらない原因
生理が来たにもかかわらず基礎体温が高いままの場合、妊娠の可能性だけでなく、他の原因も考えられます。
例えば、黄体ホルモンのバランスが崩れる黄体機能不全や、強いストレス、不規則な生活習慣などがホルモン分泌に影響を与え、体温のリズムを乱すことがあります。
また、単純に風邪などの病気で発熱している場合も、基礎体温が高い数値を示す原因となります。
妊娠検査薬の結果が陰性で高温期が続く場合は、これらの妊娠以外の要因を疑う必要があります。
黄体ホルモンの分泌異常(黄体機能不全)
黄体機能不全とは、排卵後に卵巣から分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)の量が不足したり、分泌期間が短くなったりする状態を指します。
黄体ホルモンには基礎体温を上昇させる働きがあるため、このホルモンの分泌がうまくいかないと、高温期が短くなる、体温が十分に上がらない、あるいは体温が下がりきらないうちに生理が始まるといった症状が現れることがあります。
これにより、生理が来ても基礎体温が下がらないという現象が起こり得ます。
不妊や流産の原因にもなることがあるため、基礎体温の乱れが続く場合は婦人科への相談が推奨されます。
ストレスや生活習慣によるホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスは、脳の視床下部や下垂体、卵巣が連携してコントロールしていますが、これらは非常にデリケートで、精神的なストレスや身体的な疲労、睡眠不足、急激なダイエットなどの影響を受けやすいです。
強いストレスや不規則な生活が続くと、ホルモン分泌の指令が乱れ、排卵が遅れたり、黄体ホルモンの分泌が不安定になったりします。
その結果、基礎体温の高温期と低温期の切り替えがスムーズに行われず、生理が始まっても体温が下がらない、あるいは高温期がだらだらと続くといった状態を引き起こすことがあります。
風邪やその他疾患による発熱
基礎体温は非常に繊細なため、ホルモンバランスだけでなく、全身の健康状態にも影響されます。
風邪やインフルエンザなどの感染症にかかって発熱している場合、その熱が基礎体温を押し上げ、高温期が続いているように見えることがあります。また、婦人科系の疾患だけでなく、他の病気が原因で体温が通常より高くなることも考えられます。もし高温期が続く中で、のどの痛み、咳、倦怠感など、風邪のような症状がある場合は、妊娠やホルモンの問題ではなく、単純な発熱が原因である可能性が高いでしょう。
すぐに病院に行くべき?受診タイミングの判断基準
妊娠検査薬で陽性反応が出て、生理のような出血と高温期が続く場合、いつ病院に行くべきか迷うかもしれません。
判断の基準は、出血の量や色、そして腹痛の有無です。
出血がごく少量で腹痛もない場合は、慌てて受診する必要はありませんが、生理予定日から1週間後あたりを目安に産婦人科を受診しましょう。
一方で、出血量が多い、鮮血である、または我慢できないほどの強い腹痛を伴う場合は、異所性妊娠や流産の可能性も考えられるため、すぐに医療機関を受診する必要があります。
出血が少量で腹痛がなければ、数日様子を見てから受診
妊娠検査薬で陽性反応が出た後、茶色やピンク色のおりもの程度の少量の出血があり、腹痛も特にない場合でも、子宮外妊娠や切迫流産などの可能性も考えられます。出血の量や腹痛の有無にかかわらず、速やかに産婦人科を受診することが推奨されます。
胎嚢(赤ちゃんの袋)は、一般的に妊娠5週目以降に超音波検査で確認できるようになります。妊娠検査薬で陽性反応が出た後の出血があった場合は、時期にかかわらず医師に相談し、適切な受診時期を確認することが大切です。
鮮血や激しい腹痛がある場合は、すぐに医療機関へ
出血量が生理2日目よりも多い、鮮やかな赤い血(鮮血)が出る、レバーのような血の塊が混じる、強い下腹部痛や腰痛を伴うといった症状がある場合は、注意が必要です。
これらは切迫流産や、すでに流産が進行している状態、あるいは異所性妊娠(子宮外妊娠)のサインである可能性が考えられます。
特に異所性妊娠は、卵管破裂などを起こすと命に関わる危険性があります。
これらの症状が見られる場合は、様子を見ずに、時間外や休日であっても速やかに産婦人科を受診してください。
異所性妊娠が疑われる危険な症状
異所性妊娠(子宮外妊娠)は、早期発見と早期治療が非常に重要です。
妊娠検査薬で陽性が出ているにもかかわらず、少量の出血が続き、特に下腹部の片側だけが強く痛む場合は、異所性妊娠を疑う必要があります。
症状が進行すると、卵管破裂により腹腔内で大出血を起こし、めまい、吐き気、肩の痛み(放散痛)、失神といった危険な症状が現れることがあります。
これらの症状は命に関わる緊急事態を示すサインです。
一つでも当てはまる場合は、ためらわずに救急車を呼ぶか、すぐに医療機関を受診してください。
婦人科を受診する前に準備しておきたいこと
婦人科を受診する際は、医師に正確な情報を伝えることで、よりスムーズで的確な診断につながります。
特に今回のケースのように、出血、高温期、陽性反応という複数の情報がある場合、事前の準備が重要になります。
基礎体温をつけている場合は記録をまとめ、いつからどのような出血があったかをメモしておきましょう。
また、陽性反応が出た妊娠検査薬そのものや、それを撮影した写真があると、医師が状況を把握する助けになります。
これらの準備をしておくことで、診察が円滑に進み、自身の不安解消にもつながります。
基礎体温の記録を分かりやすくまとめておく
基礎体温を日常的に測定している場合、その記録は医師にとって非常に重要な情報源となります。
体温の推移を見ることで、排卵が正常に起こっているか、高温期が十分に維持されているか、そして今回の出血がどのタイミングで始まったかなどを客観的に把握できます。
受診の際は、基礎体温グラフを持参しましょう。
もしアプリで管理している場合は、グラフ全体が見えるように画面を提示できるように準備しておくとスムーズです。
高温期が何日間続いているか、体温が下がらないまま出血が始まった日などを明確に伝えられるようにしておいてください。
出血が始まった日・量・色を正確に伝える
出血の状態は診断の大きな手がかりとなります。
受診前に、以下の情報をメモにまとめておくと医師に正確に伝えられます。
「いつから出血が始まったか」
「出血は何日間続いているか」
「出血量は多いか少ないか(ナプキンの交換頻度など)」
「血液の色は鮮血か、茶色っぽいか、ピンク色か」
「レバーのような血の塊はあったか」
「腹痛や腰痛はあるか、あるならどの程度の痛みか」といった点を具体的に記録しておきましょう。
これらの情報は、出血の原因が着床出血なのか、流産の兆候なのか、あるいは別の問題なのかを判断する上で役立ちます。
使用した妊娠検査薬を持参する
陽性反応が出た妊娠検査薬は、いつ、どの製品で検査したのかという情報とともに、診断の参考になることがあります。
可能であれば、陽性反応を示した妊娠検査薬そのものを持参するか、判定窓がはっきり写るようにスマートフォンなどで写真を撮っておくと良いでしょう。
特に、陽性ラインの濃さの変化なども医師にとっては情報の一つとなり得ます。
必須ではありませんが、準備しておくと、いつごろ妊娠が成立したかを推測する手がかりになったり、医師が状況をより正確に把握したりする助けとなります。
生理が来たのに体温が下がらないことに関するよくある質問
生理のような出血があるのに高温期が続き、妊娠検査薬で陽性反応が出ると、多くの疑問や不安が浮かぶものです。
ここでは、化学流産が次に与える影響や、出血の有無と流産の関連性、基礎体温をいつまで測り続けるべきかなど、多くの方が抱える質問について回答します。
ただし、これらは一般的な回答であり、最終的な判断は必ず医師の診察を受けてください。
Q1.化学流産だった場合、次の妊娠に影響はありますか?
化学流産は妊娠のごく初期段階で起こる自然な現象であり、全妊娠の30〜40%で発生するとも言われています。
特別な治療は必要なく、次の妊娠に影響を及ぼすことはほとんどありません。
多くの場合、次の排卵は通常の月経周期通りに起こるため、すぐに妊活を再開することも可能です。
化学流産は癖になるものではないので、過度に心配する必要はありません。
Q2.妊娠検査薬は陽性ですが、生理と同じくらいの出血量です。流産なのでしょうか?
出血量だけで流産かどうかを自己判断することはできません。
妊娠初期には、切迫流産や絨毛膜下血腫など、生理と同じくらいの出血があっても妊娠が継続するケースがあります。
一方で、残念ながら流産が進行している可能性も否定できません。
出血量が多く、腹痛を伴う場合は特に注意が必要です。
早めに産婦人科を受診し、超音波検査などで正確な状況を診断してもらうことが重要です。
Q3.基礎体温はいつまで測り続けるべきですか?
妊娠を希望して基礎体温を測り始めた場合、一般的には産婦人科で胎児の心拍が確認でき、医師から順調であると診断されるまで続けることが推奨されます。
高温期が安定して継続していることを確認できれば、精神的な安心材料にもなります。
ただし、毎日の検温がストレスになるようであれば、医師に相談の上でやめても問題ありません。
妊娠中期以降は体温の変動が大きくなるため、測定の必要性は低くなります。
まとめ
生理のような出血がありながら基礎体温が下がらず、妊娠検査薬で陽性反応が出る場合、正常な妊娠初期の着床出血から、化学流産、切迫流産、異所性妊娠(子宮外妊娠)まで様々な可能性が考えられます。
また、妊娠以外にもホルモンバランスの乱れや体調不良が原因であることもあります。
出血が少量で腹痛がなければ生理予定日の1週間後を目安に、出血量が多い、あるいは腹痛が強い場合は直ちに産婦人科を受診してください。
受診の際は基礎体温の記録や出血の状況をまとめておくと、スムーズな診断につながります。













