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妊娠初期の下痢はなぜ起こる?原因と腹痛への対処法、危険な症状

公開日:2025.12.30 更新日:2025.12.30

妊娠初期の下痢はなぜ起こる?原因と腹痛への対処法、危険な症状について解説します。

妊娠初期に下痢の症状があると、お腹の赤ちゃんへの影響が心配になるかもしれません。
しかし、妊娠初期の下痢は多くの妊婦さんが経験するものです。

この記事では、妊娠初期になぜ下痢が起こりやすいのか、その原因と自分でできる対処法について解説します。
また、腹痛を伴う場合や、すぐに病院へ行くべき危険な症状についても詳しく説明するので、不安を解消するためにお役立てください。

妊娠初期の下痢は心配ない?多くの妊婦さんが経験する症状です

妊娠初期の下痢は、多くの妊婦が経験する症状の一つであり、そのほとんどは妊娠にともなう生理的な変化が原因です。
そのため、下痢をしたからといって、過度に心配する必要はありません。
ただし、通常の下痢とは異なる症状が見られる場合は注意が必要です。

妊娠中は心身ともにデリケートな時期なので、少しでも不安を感じたり、症状が長引いたりするようであれば、自己判断せずに、かかりつけの産婦人科医に相談することが大切です。

なぜ起こる?妊娠初期に下痢になりやすい3つの原因

妊娠初期は、心身ともに大きな変化が訪れる時期です。
下痢になりやすいのには、妊娠期特有の理由があります。
主な原因として「ホルモンバランスの変化」「つわりによる食生活の乱れ」「精神的なストレス」の3つが挙げられます。

これらの要因が単独、または複合的に作用することで、腸の働きが不安定になり、下痢になったと感じることがあります。
それぞれの原因が、なぜ下痢を引き起こすのかを理解することが、適切な対処につながります。

原因①:ホルモンバランスの大きな変化

妊娠すると、妊娠を維持するためにプロゲステロン(黄体ホルモン)という女性ホルモンの分泌が活発になります。
このプロゲステロンには、子宮の収縮を抑える働きがある一方で、大腸のぜん動運動を低下させる作用もあります。
腸の動きが鈍くなることで便秘になりやすくなる人がいる反面、ホルモンバランスの急激な変化に体が対応できず、自律神経が乱れることで、逆に腸の動きが活発になり過ぎて下痢を引き起こすことがあります。

これが妊娠初期に下痢や便秘が起こりやすくなる主な原因の一つです。

原因②:つわりによる食生活の乱れ

つわり(悪阻)も、妊娠初期の下痢の大きな原因となります。
食欲不振によって十分な食事が摂れなかったり、逆に「食べづわり」で空腹を紛らわすために一度に食べ過ぎてしまったりすると、胃腸に負担がかかり消化不良を起こしやすくなります。

また、つわりの時期は、さっぱりしたものや冷たいものを好む傾向があり、こうした食べ物や飲み物の摂り過ぎが、お腹を冷やして下痢につながることもあります。
このように、つわりにともなう食事内容や食事量のリズムの乱れが、下痢を引き起こす一因となります。

原因③:妊娠にともなうストレスや不安

妊娠は喜ばしいことである一方、体の変化や出産、育児に対する漠然とした不安など、精神的なストレスを感じやすい時期でもあります。

ストレスは自律神経のバランスを乱す主な原因の一つです。自律神経は、胃や腸をはじめとする内臓の働きをコントロールしているため、そのバランスが崩れると腸が異常に収縮し、下痢や腹痛を引き起こすことがあります。リラックスできる時間を作り、心穏やかに過ごすことも、お腹の調子を整えるためには重要です。

妊娠初期の下痢は流産につながる?赤ちゃんへの影響について

妊娠初期に下痢になると「お腹に力が入ることで流産してしまうのでは」と不安に思うかもしれません。
しかし、妊娠にともなう生理的な変化による下痢が、直接的に流産の原因となる可能性は極めて低いです。

通常の下痢による腹圧で流産することは、ほとんどありません。

ただし、下痢とともに、出血や規則的な強い腹痛がある場合は、切迫流産の兆候である可能性も考えられます。
また、激しい下痢による脱水症状は、体力を消耗し、子宮への血流にも影響を与えかねないため、水分補給をしっかり行うことが大切です。

こんな症状は要注意!すぐに病院へ相談すべき危険なサイン

多くの場合は心配のない妊娠初期の下痢ですが、中には注意が必要な危険な症状もあります。
生理的な変化による下痢と、感染症や他の病気、あるいは流産の兆候など、よくないサインとを区別することが重要です。

これから挙げるような症状が見られる場合は、自己判断で様子を見ずに、速やかにかかりつけの産婦人科や医療機関へ連絡し、指示を仰ぐようにしてください。

激しい腹痛やけいれんを伴うとき

下痢とともに、立っていられないほどの激しい腹痛や、キューっと差し込むような強い腹痛が周期的・持続的に起こる場合は注意が必要です。
このような痛みは、通常の下痢による腹痛とは異なる可能性があります。
特に、子宮外妊娠や切迫流産、感染症などのサインであることも考えられます。

我慢できないほどの痛みを感じたときは、夜間や休日であっても、すぐに産婦人科やかかりつけの医療機関に連絡して受診してください。

便に血が混じっている(血便)とき

便に血が混じる、いわゆる血便が出た場合も、すぐに医師への相談が必要です。
便の色が赤色や黒色、赤黒いタール状である場合は、消化管のどこかから出血しているサインかもしれません。

また、妊娠中は痔になりやすく、排便時に出血することもありますが、性器からの出血(不正出血)との区別がつきにくいこともあります。
不正出血は切迫流産の兆候である可能性もあるため、自己判断はせず、必ず受診して原因を確かめてもらうことが重要です。

嘔吐や38度以上の発熱が続くとき

下痢に加えて、繰り返す嘔吐や38度以上の高熱が続く場合は、ウイルス性胃腸炎(ノロウイルス、ロタウイルスなど)や食中毒といった感染症が疑われます。
妊娠中は免疫力が低下しているため、感染症にかかりやすくなることがあります。

嘔吐と下痢が続くと脱水症状に陥りやすく、母体の体力を著しく消耗させてしまいます。
特に高熱は赤ちゃんへの影響も懸念されるため、これらの症状が続く場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

冷や汗が出るほどの強い痛みがあるとき

下痢とともに冷や汗が出たり、吐き気やめまい、貧血のような症状をともなったりするほどの強い痛みがある場合も危険なサインです。
これらの症状は急激な体調の変化を示しており、重度の感染症や、切迫流産、子宮外妊娠など、緊急性の高い状態である可能性が考えられます。

普段の下痢とは明らかに違うと感じたら、迷わずにかかりつけの産婦人科に連絡するか、状況によっては救急外来の受診も検討してください。

自分でできる!妊娠初期の下痢のセルフケア方法

病院へ行くほどではない軽度の下痢の場合、生活習慣を見直すことで症状が改善されることがあります。
妊娠初期の下痢の症状を和らげるためには、身体を内側と外側からケアすることが基本です。

水分補給をしっかり行い、胃腸に負担をかけない食事を心がけ、体を冷やさないように注意しましょう。
ここでは、今日から実践できるセルフケアでの対処法を具体的に紹介します。

脱水症状を防ぐためにこまめに水分を摂る

下痢のときに最も気をつけたいのが脱水症状です。
下痢によって体内の水分と電解質が大量に失われるため、意識的に水分補給を行うことが何よりも大切です。
一度にたくさん飲むのではなく、常温の水や白湯、カフェインの含まれていない麦茶などを、少量ずつこまめに飲むようにしましょう。

スポーツドリンクや経口補水液は、水分と同時にミネラルも補給できるので効果的です。
コーヒーや紅茶などカフェインを含む飲み物は、利尿作用があり脱水を助長する可能性があるため、控えるようにしてください。

消化しやすくお腹に優しい食事を心がける

下痢の症状があるときは、胃腸が弱っているため、消化の良い食べ物を選んで負担をかけないようにすることが基本です。
おかゆやよく煮込んだうどん、野菜スープ、豆腐、鶏のささみ、白身魚、りんごなどがおすすめです。

食事の際は、ゆっくりとよく噛んで食べることを意識しましょう。
症状が落ち着くまでは、一度にたくさん食べるのではなく、数回に分けて少量ずつ摂ると、胃腸への負担をさらに軽減できます。
食事から十分な栄養が摂れない場合は、無理せず安静に過ごすことが優先です。

体を温めてお腹の冷えを防ぐ

体の冷えは血行不良を招き、胃腸の働きを低下させる原因となります。
特に、お腹周りが冷えると、下痢の症状が悪化しやすくなります。
腹巻きやブランケット、レッグウォーマーなどを活用して、体を冷やさない工夫をしましょう。
シャワーだけでなく、ぬるめのお湯にゆっくり浸かる入浴も、体を芯から温めるのに効果的です。

また、飲み物は常温か温かいものを選び、冷たいものの摂り過ぎには注意してください。
体を温めることで自律神経のバランスも整いやすくなります。

刺激の強い食べ物や脂っこい食事は避ける

下痢をしているときは、胃腸を刺激する食べ物を避けることが大切です。
天ぷらや揚げ物などの脂っこいもの、唐辛子を多く使った辛いもの、香辛料の強い料理は、腸のぜん動運動を活発にし、症状を悪化させる可能性があります。

また、妊娠中は免疫力が低下しているため、食中毒のリスクにも注意が必要です。
トキソプラズマ感染の危険がある生肉や、ノロウイルスなどの感染症の原因となりうる刺身、寿司、生卵といった生ものの摂取は避け、肉や魚は中心部まで十分に加熱してください。

下痢止めは飲んでも大丈夫?市販薬を自己判断で服用するのは危険

妊娠中に下痢が続くと市販の下痢止め薬を使いたくなるかもしれませんが自己判断での服用は絶対にやめてください。

市販されている薬の中には妊娠中に服用すると胎児に影響を及ぼす可能性のある成分が含まれていることがあります。

特に腸の動きを無理に止めるタイプの薬は感染症が原因の場合にウイルスや細菌の排出を妨げかえって症状を悪化させる危険性もあります。

下痢が辛くて薬を使用したい場合は必ずかかりつけの産婦人科医に相談し妊娠中でも安全に使用できる整腸剤などを処方してもらいましょう。

妊娠初期の下痢に関するよくある質問

妊娠初期の下痢については、多くの妊婦さんがさまざまな疑問や不安を抱えています。
ここでは、特に多く寄せられる質問について、簡潔に回答します。

下痢がいつまで続くのか、妊娠のサインなのか、また便秘と繰り返すのはなぜかなど、気になる点を確認し、不安の解消にお役立てください。
ただし、症状には個人差があるため、心配な場合は医師に相談することが前提です。

Q1.下痢は妊娠超初期症状の一つですか?

はい、下痢は妊娠超初期症状の一つとして現れることがあります。
妊娠によるホルモンバランスの急激な変化が自律神経に影響し、眠気やお腹の張り、腰痛などと同様に下痢を引き起こす場合があります。

ただし、下痢だけで妊娠を判断することはできません。
気になる場合は、妊娠検査薬を使用するか、産婦人科を受診してください。

Q2.腹痛はないのに水様便が続く場合はどうしたらいいですか?

腹痛がなくても水様便が続く場合は、脱水症状に注意することが最も重要です。
常温の水や経口補水液などでこまめに水分補給をしてください。
食事は消化の良いものを心がけ、胃腸を休ませましょう。

数日間下痢が続く場合や、他の症状が出てきた場合は、感染症の可能性もあるため、かかりつけの産婦人科に相談してください。

Q3.下痢と便秘を繰り返すのはなぜですか?

妊娠初期に下痢と便秘を繰り返すのは、主にホルモンバランスの急激な変化が原因です。
妊娠を維持するホルモンが腸の働きを不安定にさせるため、便秘になりやすい一方で、自律神経の乱れから下痢も起こしやすくなります。

これは多くの妊婦が経験する症状であり、食生活や水分補給を工夫することで、症状が和らぐことがあります。

まとめ

妊娠初期の下痢は、ホルモンバランスの変化やストレスなどが原因で起こる、多くの妊婦が経験する生理的な症状です。
ほとんどの場合は心配いりませんが、激しい腹痛や出血、発熱などをともなう場合は、すぐに医療機関へ相談してください。

下痢の症状があるときは、脱水に注意して水分を十分に摂り、消化の良い食事と体を温めることを心がけましょう。
市販薬の自己判断での服用は避け、不安な点があれば、かかりつけの産婦人科医に相談することが重要です。

この記事の監修者

成澤佳希

成澤 佳希

錦糸町はり灸院 院長

日本健康医療専門学校卒業後、株式会社ブレイシングに入社。
系列院の本八幡鍼灸院で7年勤務した後、錦糸町はり灸院に異動。
現在は勤務10年目となり、錦糸町はり灸院の院長として従事。
不妊、男性不妊、自律神経症状などの幅広く貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師

《経歴》

日本健康医療専門学校

錦糸町はり灸院

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