公開日:2026.01.18 更新日:2026.01.18

子宮後屈かもしれないと不安に感じていませんか。
子宮後屈は、子宮が正常な位置よりも後ろに傾いている状態を指し、日本人女性の約2割に見られる比較的よくある体質です。
この記事では、自分でできる子宮後屈の症状セルフチェックリストや、考えられる原因、妊娠への影響について詳しく解説します。
また、つらい症状を和らげるセルフケア方法や、婦人科を受診する目安についても紹介します。
もしかして子宮後屈?気になる症状でセルフチェック
子宮後屈は病気ではなく、多くは生まれつきの個性とされていますが、特定の症状を引き起こすことがあります。
自分でわかるサインとして、いくつかの特徴的な症状が挙げられます。
これらの症状が複数当てはまる場合は、子宮後屈の可能性があると考えられます。
あくまで目安としての判断になりますが、まずはご自身の体にどのようなサインが出ているか、以下の項目でチェックしてみましょう。
【痛み編】生理痛や腰痛が慢性的にひどい
子宮が後ろに傾いていると、骨盤内の血流が滞りやすくなります。
その結果、経血をスムーズに排出できず、子宮が強く収縮するため、生理痛が重くなる傾向があります。
また、子宮が仙骨という骨の近くにある神経を圧迫しやすくなるため、生理期間以外でも慢性的な腰痛に悩まされることがあります。
特に、仰向けになると痛みが増し、うつ伏せになると和らぐ場合は、子宮後屈が関係している可能性が考えられます。
これらの痛みが日常生活に支障をきたすほどつらい場合は、注意が必要です。
【性交時編】特定の体位で奥に痛みを感じる
性交時に体の奥に痛みを感じる「性交痛」も子宮後屈の症状の一つとして挙げられます。
子宮が後ろに傾いていると膣の奥にある子宮の入り口(子宮頸部)の位置が通常よりも低くなるため性交の際にペニスが直接当たりやすくなります。
特に女性が仰向けになる体位など角度によっては子宮頸部への刺激が強くなり痛みや不快感を生じることがあります。
もし特定の体位で決まって痛みを感じる場合は子宮後屈が原因である可能性を考慮してもよいでしょう。
【排泄編】原因のわからない便秘や頻尿に悩んでいる
子宮は骨盤の中で膀胱と直腸の間に位置しています。
子宮が後方に傾く「子宮後屈」の状態になると、背中側にある直腸を圧迫しやすくなります。
この圧迫が原因で便の通りが悪くなり、慢性的な便秘を引き起こすことがあります。
反対に、前方の膀胱が圧迫されるケースでは、頻尿や残尿感といった症状が現れることもあります。
特に他の原因が見当たらないのに、便秘や頻尿が続く場合は、子宮の位置が影響している可能性も考えられます。
【姿勢編】仰向けで寝ると腰が重く感じる
子宮後屈の人は、仰向けで寝ると腰に重さやだるさ、痛みを感じることがあります。
これは、後ろに傾いた子宮が、背中側にある仙骨やその周辺の血管、神経などを圧迫してしまうためです。
骨盤内の血行が悪くなることで、腰回りに鈍い痛みや重苦しさを感じやすくなります。
一方で、うつ伏せになると子宮による圧迫が解消されるため、腰が楽に感じることが多いのも特徴です。
もし、就寝時の姿勢によって腰の快適さが大きく変わるようであれば、子宮後屈の可能性を考えてみましょう。
子宮後屈はなぜ起こる?考えられる2つの主な原因
子宮後屈が起こる原因は、大きく分けて2つあります。
一つは、生まれつきの体質による「先天的」なもので、多くの場合はこちらに該当します。
もう一つは、病気や過去の手術などが原因で起こる「後天的」なものです。
後天的な場合は、原因となる疾患の治療が必要になることもあります。
ここでは、それぞれの原因について詳しく見ていきます。
多くの場合は生まれつきの体質によるもの(先天的)
子宮後屈の大部分は、病的なものではなく、生まれつきの体質によるものです。
これは個人の身長や顔つきが違うのと同じように、子宮の位置の個性と捉えることができます。
特に体に不調がなく、婦人科検診などで偶然指摘されるケースも少なくありません。
この場合、子宮は周囲の組織と癒着しておらず、自由に動くことができる「可動性子宮後屈」と呼ばれます。
痛みなどの症状がなければ、特に治療の必要はなく、心配しすぎることはありません。
多くの女性がこのタイプであり、正常な範囲内とされています。
子宮内膜症や骨盤内の炎症が原因の場合も(後天的)
後天的な原因で子宮後屈になる場合は注意が必要です。
代表的な原因疾患として子宮内膜症や骨盤腹膜炎などが挙げられます。
これらの病気によって骨盤内で炎症が起こると子宮が直腸などの周囲の臓器と癒着してしまい後ろに傾いたまま固定されてしまうことがあります。
これを「癒着性子宮後屈」と呼びます。
このタイプは強い生理痛や性交痛、排便痛、不妊などの原因となる可能性があります。
過去の開腹手術やクラミジアなどの性感染症による炎症が原因で癒着が起こるケースもあります。
子宮後屈だと妊娠しにくい?妊娠への影響を解説
子宮後屈と診断されると、「妊娠しにくいのではないか」と不安になる方も少なくありません。
特に2人目不妊などで悩んでいる場合、子宮後屈が関係しているのか気になるかもしれません。
しかし、基本的には子宮後屈そのものが不妊の直接的な原因になることは稀です。
ここでは、子宮後屈と妊娠の関係や、妊娠の可能性を高めるための工夫、注意点について解説します。
子宮後屈自体が不妊の直接的な原因にはならない
生まれつきの体質による可動性の子宮後屈は、それ自体が不妊の直接的な原因になることはほとんどありません。
子宮の位置が通常と多少違っていても、精子が卵子と出会い、受精卵が子宮内膜に着床するまでの基本的なプロセスに大きな影響はないと考えられています。
実際に、子宮後屈の女性でも問題なく自然妊娠し、出産しているケースは非常に多くあります。
そのため、医師から子宮後屈を指摘されたとしても、過度に心配する必要はありません。
他の不妊原因がないかを確認することが重要です。
妊娠の可能性を高める?性交後におすすめの姿勢
子宮後屈と診断された方が射精後にうつ伏せの姿勢を保つことで妊娠の可能性が高まるという説が一般的に知られていますが、この説には科学的な根拠はありません。妊娠しやすくなる体位や特定の姿勢については、医学的に証明されたものはありません。
注意が必要な「癒着性子宮後屈」が妊娠に与える影響
子宮後屈の中でも、子宮内膜症や骨盤内の炎症が原因で、子宮が周囲の臓器と癒着してしまっている「癒着性子宮後屈」の場合は、妊娠に影響を及ぼす可能性があります。
癒着が卵管や卵巣にまで及んでいると、卵管が詰まったり(卵管閉塞)、卵子が卵管に取り込まれにくくなったり(ピックアップ障害)して、不妊の原因となることがあります。
この場合、子宮後屈そのものが問題なのではなく、原因となっている子宮内膜症などの疾患が不妊に影響しています。
そのため、適切な治療を受けることが重要になります。
子宮後屈によるつらい症状を和らげるセルフケア方法
子宮後屈は病気ではありませんが、生理痛や腰痛などのつらい症状を伴うことがあります。
ここでは、日常生活の中で手軽に取り入れられるセルフケア方法を紹介します。
ストレッチや生活習慣の改善によって骨盤周りの血行を促し、不快な症状を和らげる効果が期待できます。
無理のない範囲で、自分に合った方法を試してみてください。
腰痛や生理痛の緩和が期待できる簡単ストレッチ
子宮後屈による腰痛や生理痛の緩和には、骨盤周りの血行を促進するストレッチが効果的です。
代表的なものに「キャットアンドカウ」というポーズがあります。
四つん這いになり、息を吐きながら背中を丸め、息を吸いながら背中を反らす動きを繰り返します。
このストレッチは、骨盤周りの筋肉をほぐし、血流を改善するのに役立ちます。
また、うつ伏せの状態からゆっくりと上体を起こして背中を反らす動きも、子宮の圧迫を和らげるのに有効です。
痛みを感じない範囲で、毎日少しずつ続けてみましょう。
体を温めて骨盤周りの血行を促す生活習慣
体を温めて骨盤周りの血行を良くすることは、子宮後屈による症状の緩和につながります。
体が冷えると血流が悪化し、生理痛や腰痛などの痛みを強く感じやすくなるため、日頃から体を冷やさない工夫が大切です。
シャワーだけで済ませず、湯船にゆっくり浸かる習慣をつけましょう。
腹巻やカイロを活用してお腹周りを温めるのも効果的です。
また、ウォーキングなどの軽い運動は、全身の血行を促進し、冷えの改善に役立ちます。
温かい飲み物や体を温める食材を食事に取り入れることも意識しましょう。
症状が気になるなら婦人科へ|受診の目安と検査内容
セルフチェックで当てはまる項目が多かったり、つらい症状が続いたりする場合は、自己判断せずに婦人科を受診することが大切です。
専門医による正確な診断を受けることで、症状の原因が子宮後屈だけなのか、それとも他の病気が隠れていないかを確認できます。
ここでは、婦人科を受診すべき症状のサインや、病院で行われる主な検査内容について解説します。
婦人科を受診した方が良い症状のサイン
日常生活に支障が出るほどのひどい生理痛や慢性的な腰痛がある場合は、婦人科の受診を検討しましょう。
また、性交時にいつも痛みを感じる、原因不明の便秘や頻尿が続くといった症状も受診の目安です。
特に、以前と比べて痛みがどんどん強くなっている、経血量が増えたなどの変化がある場合は、子宮内膜症や子宮筋腫といった他の病気が隠れている可能性も考えられます。
不妊に悩んでいる場合も、原因を特定するために一度専門医に相談することが推奨されます。
病院ではどのような検査(内診・超音波)を行うのか
婦人科では、まず問診で症状や月経周期、妊娠歴などを詳しく確認します。
その後、内診台で医師が膣内に指を入れ、子宮や卵巣の大きさ、位置、硬さ、動きなどを調べる「内診」を行います。
この内診によって、子宮が後屈しているか、また癒着の有無などがある程度わかります。
さらに、膣からプローブという細い器具を挿入して子宮や卵巣の状態を映像で確認する「経腟超音波(エコー)検査」を行うのが一般的です。
この検査により、子宮後屈の程度を正確に把握できるほか、子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣の腫れなどがないかも詳しく調べられます。
子宮後屈に関するよくある質問
子宮後屈に関して、多くの方が抱く疑問や不安があります。
例えば、子宮後屈の診断方法、治療の可能性、出産への影響といった点です。
また、似た言葉である「子宮脱」との違いが気になる方もいるかもしれません。
ここでは、そうした子宮後屈に関するよくある質問に対して、簡潔にお答えします。
Q1. 子宮後屈かどうか、症状だけで確定できますか?
症状だけで子宮後屈だと確定することはできません。
生理痛や腰痛などの症状は、子宮内膜症や子宮筋腫など他の婦人科系疾患でも起こりうるためです。
正確な診断のためには、婦人科での内診や超音波検査を受ける必要があります。
Q2. 子宮後屈は体操やストレッチで治りますか?
体操やストレッチで、子宮後屈という位置自体が完全に治るわけではありません。
しかし、骨盤周りの血行を促進し、筋肉の緊張をほぐすことで、子宮後屈に伴う腰痛や生理痛といったつらい症状を緩和する効果は期待できます。
Q3. 子宮後屈だと出産が大変になることはありますか?
ほとんどの場合、子宮後屈が出産に影響することはありません。
妊娠週数が進み子宮が大きくなると、多くは自然に前を向いた位置(前傾前屈)に矯正されるためです。
分娩の進行が妨げられることは稀で、過度な心配は不要です。
まとめ
子宮後屈は多くが生まれつきの体質であり、それ自体が病気ではありません。
セルフチェックで当てはまる症状があっても過度に心配する必要はありませんが、生理痛や腰痛、性交痛などが日常生活に影響を及ぼす場合は我慢せずに婦人科を受診しましょう。
特に症状が徐々に悪化している場合は、子宮内膜症などの病気が隠れている可能性も考えられます。
つらい症状を和らげるセルフケアを取り入れつつ、気になる点があれば専門医に相談し、正確な診断を受けることが重要です。













