公開日:2026.01.13 更新日:2026.01.13

おりものの変化は、多くの女性が経験する身体のサインの一つです。
特に、普段と違う色や匂い、状態のおりものが出ると、性病ではないかと不安になるかもしれません。
クラミジアは日本で最も感染者数が多い性病であり、女性が感染するとおりものに異常が現れることがあります。
しかし、症状が非常に軽かったり、全く出なかったりする場合も多いため、感染に気づかないケースも少なくありません。
この記事では、クラミジアに感染した場合のおりものの特徴について、色、匂い、状態の観点から解説し、セルフチェックのポイントを紹介します。
【セルフチェック】クラミジアに感染したおりものの特徴
クラミジアに感染した場合、おりものにいくつかの特徴的な変化が現れることがあります。
ただし、これから紹介する症状は全ての感染者に見られるわけではなく、個人差が大きいことを理解しておく必要があります。
おりものの量が増えたり、水っぽくなったり、色や匂いに変化が生じたりするのが主な症状です。
これらの変化は、クラミジアが子宮頸管に感染し、炎症を引き起こすことによって生じます。
普段のおりものの状態を把握し、わずかな違いにも気づけるようにしておくことが、感染の早期発見につながります。
特徴①:水っぽくサラサラしたおりものの量が増える
クラミジア感染症の初期症状として、おりものの量が増えることがあります。
普段よりも明らかに量が多いと感じる場合は、注意が必要です。
おりものの量は排卵期や月経前にも増えるため、時期的なものと勘違いされやすいですが、感染による場合は時期に関係なく量が多い状態が続きます。
性状としては、粘り気が少なく、水のようにサラサラした状態になるのが特徴です。
これは、クラミジアが子宮頸管に感染して炎症を起こし、子宮頸管からの分泌物が増えるために起こります。
ただし、おりものの量は個人差が大きく、少ない場合もあるため、量だけで判断することは困難です。
特徴②:おりものが黄色や黄緑色っぽく変化する
クラミジアに感染すると、おりものの色が変化することがあります。
健康なおりものは透明から白っぽい色をしていますが、クラミジアによる炎症が起こると、膿が混じることで黄色や黄緑色のおりものが見られるようになります。
色の変化は、感染によって集まった白血球の死骸などが含まれるためです。
炎症が強くなると、膿の量が増えて色の変化がより顕著になる傾向があります。
また、炎症によって組織がもろくなり、わずかな出血が混じることでピンク色のおりものが出ることもあります。
おりものの色に明らかな変化が見られた場合は、感染を疑うサインの一つです。
特徴③:生臭い・酸っぱいような匂いがする場合がある
クラミジア感染自体が強い匂いを発生させることは稀ですが、おりものの匂いが変化する場合があります。
クラミジアに感染することで腟内の常在菌のバランスが崩れ、他の細菌が増殖しやすくなることが原因です。
これにより、普段とは異なる生臭いにおいや、いつもよりきつい酸っぱい匂いを感じることがあります。
しかし、クラミジア感染者の多くはおりものが無臭であるため、匂いの有無だけで感染を判断することはできません。
おりものの匂いは体調や食生活によっても変化しますが、不快な臭いが続くようであれば、何らかの異常が起きている可能性があります。
特徴④:不正出血が混じって茶色のおりものが見られる
クラミジアが子宮の入り口である子宮頸管に感染すると、炎症によって組織がもろくなり、出血しやすくなります。
このため、月経期間以外に少量の出血(不正出血)が起こることがあります。
特に、性交時や激しい運動の後など、物理的な刺激が加わった際に出血しやすくなります。
この出血がおりものに混ざることで、ピンク色や茶色のおりものとして確認されることがあります。
古い血が混じると茶色に見えるため、月経が終わったはずなのに茶色のおりものが続くといった場合は注意が必要です。
不正出血はクラミジア以外の婦人科系疾患の可能性も考えられます。
要注意!クラミジアは症状が出ない・おりものが無臭なケースが多い
クラミジア感染症で最も注意すべき点は、症状がほとんど出ないまま進行することです。
特に女性の場合、感染者の約8割は自覚症状がないといわれており、おりものの変化に気づかない、または無臭であるケースも珍しくありません。
症状が出ないために感染していることに気づかず、知らないうちにパートナーにうつしてしまったり、治療が遅れてしまったりする危険性があります。
感染が進行すると、骨盤内炎症性疾患を引き起こし、激しい腹痛や発熱を伴うことや、将来的に不妊症や子宮外妊娠の原因となる可能性があります。
クラミジアと間違いやすい?おりものに異常が出る他の病気
おりものの異常はクラミジア感染症のサインの一つですが、他の病気が原因で同様の変化が起こることもあります。
例えば、性感染症である淋菌感染症(淋病)は、クラミジアと似た症状を引き起こし、同時に感染していることも少なくありません。
おりものの状態だけで原因を特定するのは困難であり、自己判断は禁物です。
ここでは、クラミジアと症状が似ていたり、間違いやすかったりする代表的な病気のおりものの特徴について解説します。
正しい診断と治療のためには、医療機関での検査が不可欠です。
カンジダ症:白くポロポロしたチーズ状のおりもの
カンジダ症は、もともと腟内に存在するカンジダという真菌(カビの一種)が、体調不良や抗生物質の使用などをきっかけに異常増殖することで発症します。
おりものの特徴は、白くポロポロとした、カッテージチーズや酒粕、ヨーグルトのような塊状になる点です。
クラミジアの水っぽいおりものとは見た目が大きく異なります。
また、カンジダ症では外陰部に強いかゆみを伴うことが一般的で、この点も自覚症状が少ないクラミジアとの大きな違いです。
ただし、クラミジアとカンジダ症を併発することもあるため、白いおりものだからクラミジアではないと断定することはできません。
トリコモナス腟炎:泡状で強い悪臭を伴うおりもの
トリコモナス腟炎は、トリコモナス原虫という寄生虫の感染によって引き起こされる性感染症です。
おりものの特徴として、黄色から緑がかった色で、泡立っていることが挙げられます。
また、魚が腐ったような強い悪臭を放つ点も、比較的匂いが少ないクラミジアとの違いです。
外陰部に激しいかゆみや痛み、灼熱感を伴うことが多く、クラミジアよりも症状がはっきりと出やすい傾向にあります。
クラミジアと同様に性行為で感染しますが、下着やタオル、便器、浴槽などを介しても感染する可能性があるため注意が必要です。
細菌性腟症:魚が腐ったような生臭い匂い
細菌性腟症は、クラミジアや淋菌のような特定の病原菌による感染症ではなく、腟内の善玉菌が減少し、悪玉菌が増えることで腟内環境のバランスが崩れた状態を指します。
最大の特徴は、魚が腐ったような独特の生臭い匂い(アミン臭)です。
おりものは、灰色がかった水っぽいものに変化し、量が増えることがあります。
かゆみや痛みは伴わない場合が多いです。
性行為が発症のきっかけになることもありますが、ストレスや疲労などでも起こりえます。
特に妊娠中に細菌性腟症になると、早産や前期破水のリスクが高まるため、早期の治療が求められます。
おりものの異常に気づいたらすぐに婦人科・性病科を受診しよう
おりものの色、匂い、量などに少しでも異常を感じたら、それは体からのサインかもしれません。
セルフチェックはあくまで感染の可能性を考えるきっかけに過ぎず、正確な診断を下すことは不可能です。
クラミジアは放置すると不妊症などの深刻な事態を招く恐れがあるため、早期発見・早期治療が何よりも重要です。
不安なまま過ごすよりも、専門医による適切な検査を受け、原因を特定することが解決への第一歩です。
ためらわずに婦人科や性病科、レディースクリニックなどを受診してください。
病院で行われるクラミジアの検査方法
病院でのクラミジア検査は、主に「核酸増幅法(NAT検査)」という高感度の検査で行われます。
この方法は、検体に含まれるクラミジアの遺伝子を増幅させて検出するため、非常に正確な診断が可能です。
女性の場合、子宮頸管内の分泌物を専用の綿棒で拭って採取する方法が最も一般的で、内診時に行われます。
内診に抵抗がある場合や、症状がない場合のスクリーニング検査では、尿を採取して調べることもできます。
検査結果は通常、数日から1週間程度で判明し、陽性か陰性かが告知されます。
感染の機会があった日から3日以上経過していれば、精度の高い検査が可能です。
クラミジアの治療内容と完治までの目安期間
クラミジアの治療は、主に抗菌薬(抗生物質)の服用によって行われます。
代表的な薬には、1回の服用で効果が期待できる「ジスロマック」や、1週間服用を続けるタイプの薬などがあります。
医師の指示に従って正しく薬を服用すれば、クラミジアは高い確率で完治させることが可能です。
治療期間中は、パートナーへの感染や再感染を防ぐため、性交渉を控えなければなりません。
治療後、2〜3週間ほど期間をあけてから再検査を行い、菌が完全にいなくなったことを確認して治療は完了となります。
自己判断で服用を中止すると再発の可能性があるため、必ず治癒確認の検査を受けてください。
クラミジアのおりものに関するよくある質問
クラミジアやおりものの異常については、多くの方がさまざまな疑問や不安を抱えています。症状がなくても感染している可能性や、自然に治ることはあるのかといった質問は特に多く寄せられます。クラミジアの自然治癒はまれに報告されていますが、放置すると合併症のリスクが高まるため、治療が必要です。こうした疑問を解消しないまま放置してしまうと、受診が遅れたり、誤った対応をとってしまったりする原因にもなりかねません。
気になる症状が続く場合は、ここで紹介する回答を参考にしつつ、最終的には必ず専門の医療機関に相談することが重要です。
Q1. おりものに変化がなければクラミジアの心配はありませんか?
おりものに変化がなくてもクラミジアに感染している可能性は十分にあります。
女性のクラミジア感染者の約8割は自覚症状がないとされており、おりものが正常に見えても安心はできません。
治療後に症状がなくなった場合も、自己判断で治ったと決めつけず、必ず再検査で完治を確認することが重要です。
Q2. クラミジアは自然に治ることはありますか?
クラミジアが自然治癒することは、医学的にはほとんどないと考えられています。
免疫の働きで菌の活動が一時的に弱まることはあっても、完全に体内から排除されることは期待できません。
放置すれば治らないまま進行するため、自然に治ることを待たず、必ず医療機関で適切な治療を受ける必要があります。
Q3. パートナーに症状がない場合でも検査は必要ですか?
はい、パートナーに症状がなくても必ず一緒に検査・治療を受ける必要があります。
クラミジアは男女ともに無症状のことが多く、片方だけが治療しても、未治療のパートナーから再び感染する「ピンポン感染」を繰り返してしまいます。
感染拡大を防ぎ、確実に完治させるために、同時治療が原則です。
まとめ
クラミジアに感染すると、水っぽいおりものが増えたり、黄色っぽく変化したりすることがありますが、多くの女性は自覚症状がないまま感染しています。
したがって、おりものの状態だけで感染の有無を正確に判断することはできません。
また、カンジダ症やトリコモナス腟炎など、おりものに異常が出る病気は他にもあり、原因を特定するには専門的な検査が必要です。
おりものの異常や感染の不安を感じた場合は、放置せずに速やかに婦人科や性病科を受診し、適切な診断と治療を受けることが求められます。
パートナーがいる場合は、同時に検査と治療を行うことが再発防止のために不可欠です。













