公開日:2026.01.13 更新日:2026.01.13

急なめまいの症状には、即効性が期待できるツボ押しが有効です。
この記事では、めまいに効く代表的なツボの場所と正しい押し方を、原因や症状別に図解で詳しく解説します。
ツボ押しは自律神経の乱れを整え、血行を促進することで、つらい症状の改善や解消に役立ちます。
セルフケアとして手軽に取り入れられるため、めまいの応急処置や体質改善の方法として活用できます。
あなたのめまいはどのタイプ?主な種類と原因を知ろう
ひとくちにめまいと言っても、その症状の現れ方や原因は様々です。
目が回るような感覚がするのか、体がふわふわする感じなのかによって、考えられる原因は異なります。
自分のめまいがどのタイプに当てはまるかを知ることは、適切なツボを選び、効果的なセルフケアを行うための第一歩です。
ここでは、代表的なめまいの種類と、その背景にある主な原因について解説します。
ぐるぐる目が回るような「回転性めまい」
回転性めまいとは、自分自身や周囲の景色がぐるぐると回転しているように感じる症状です。
実際には動いていないのに、激しい回転を感じるため、まっすぐ立っていられなくなったり、吐き気や嘔吐を伴ったりすることがあります。
この回転性のめまいの多くは、体のバランスを司る三半規管や耳石器といった内耳の機能に異常が生じることで発生します。
代表的な疾患には、頭の位置を変えたときにめまいが起こる「良性発作性頭位めまい症」や、難聴や耳鳴りを伴う「メニエール病」などが挙げられます。
内耳のトラブルが原因のため、耳鼻咽喉科での診断が必要です。
体がふわふわと揺れるような「浮動性めまい」
浮動性めまいは、体がふわふわと雲の上を歩いているように感じたり、船に乗っているように揺れている感覚に陥ったりする症状です。
回転性めまいのような激しい回転感はありませんが、常にふらつきを感じるため、不安感を伴うことも少なくありません。
このタイプのめまいは、特定の原因が見つかりにくいことも特徴で、過労やストレス、睡眠不足などによる自律神経の乱れが大きく関与していると考えられています。
また、肩や首のこりによる血行不良が原因で、脳への血流が不安定になることでも引き起こされます。
生活習慣の見直しが改善の鍵となる場合が多いです。
立ち上がるときの「立ちくらみ」
立ちくらみは、座った状態や寝た状態から急に立ち上がった瞬間に、目の前が暗くなったり、気が遠くなるような感覚に襲われたりする症状で、「起立性低血圧」とも呼ばれます。
これは、急な体勢の変化に自律神経の調整が追いつかず、脳への血流が一時的に低下することで起こります。
特に、普段から低血圧の人や、貧血気味の人に多く見られる症状です。
自律神経の働きが乱れているときや、脱水気味のときにも起こりやすくなります。
立ち上がる際は、ゆっくりと動作することを心がけるだけでも、症状の発生をある程度防ぐことが可能です。
めまいを引き起こす代表的な原因
めまいの背景には、内耳や脳の病気だけでなく、日常生活に潜む様々な原因が関係しています。
特に、現代人にとって大きな問題であるストレスや過労は、自律神経のバランスを崩す主な要因です。
自律神経が乱れると、血圧の調整や血流が不安定になり、めまいを引き起こしやすくなります。
また、長時間のデスクワークなどによる首や肩のこりは、頭部への血流を悪化させ、めまいの引き金となります。
慢性的な寝不足や不規則な生活も、心身の疲れを蓄積させ、めまいのリスクを高める要因として挙げられます。
【症状・原因別】めまいに効く即効性の高いツボ5選
急なめまいが起きたとき、症状を少しでも早く止めたいと感じるものです。
ここでは、様々なタイプのめまいに対応できる、即効性が期待できる5つのツボを紹介します。
自律神経の乱れ、首こり、吐き気など、ご自身の症状や原因に合わせて適切なツボを選び、優しく刺激することで、つらい症状を軽減させることができます。
それぞれのツボの場所と効果を正しく理解し、セルフケアに役立てましょう。
【万能ツボ】自律神経の乱れを整える「百会(ひゃくえ)」
百会(ひゃくえ)は、頭のてっぺん、左右の耳の最も高いところを結んだ線と、顔の中心線が交わる位置にあるツボです。
少しへこんでいて、押すと軽い痛みを感じる場所が目印です。
このツボは、その名の通り「百の会う場所」として全身の気が集まるとされ、自律神経の乱れを整える効果が高いことで知られています。
ストレス、不眠、頭痛、のぼせなど、様々な不調に対応できる万能ツボであり、特に原因がはっきりしないふわふわとしためまいや、疲労が溜まっている時のめまいの改善に役立ちます。
頭全体をリラックスさせる効果も期待できます。
【首こり・肩こりに】血行を促進し緊張を和らげる「風池(ふうち)」
風池は、首の後ろ、髪の生え際あたりにある大きなくぼみに位置するツボです。
後頭部の骨の下、太い2本の筋肉の外側にあり、親指で頭を支えるようにして押すと見つけやすいでしょう。
このツボは、首や肩こりによる血行不良が原因で起こるめまいに特に効果的です。
首の筋肉の緊張を和らげ、頭部への血流を促進することで、めまいだけでなく、関連して起こる頭痛や眼精疲労の軽減にもつながります。
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用で首周りが凝り固まっていると感じる際に、重点的に刺激すると良いでしょう。
【吐き気を伴うめまいに】胃の不快感を抑える「内関(ないかん)」
内関(ないかん)は、手のひら側で、手首のしわの中央から肘に向かって指3本分進んだところにあるツボです。
2本の太い腱の間に位置し、押すと少し痛みを感じます。
このツボは、乗り物酔いや二日酔いの特効薬として有名で、胃の不快感や吐き気を抑える働きがあります。
ぐるぐる回る回転性のめまいなど、吐き気を伴うつらい症状が出た際に刺激すると、胸のあたりのつかえが取れ、気分を落ち着かせる効果が期待できます。
めまいそのものを止めるだけでなく、付随する不快な症状を和らげるのに役立ちます。
【ストレス・疲労に】耳周りの不調にアプローチする「翳風(えいふう)」
翳風(えいふう)は、耳たぶの後ろにある、下あごの骨との間のくぼみに位置するツボです。
口を少し開けるとくぼみが分かりやすくなります。
このツボは、耳の周りの血行を促進し、内耳の機能を整える働きがあります。
そのため、ストレスや過度の疲労によって引き起こされる耳鳴りや耳の閉塞感を伴うめまいに効果的です。
三半規管が関わるめまいの際にも、翳風を刺激することで症状の緩和が期待できます。
顔の血行も良くなるため、顔のむくみや歯の痛みの軽減にも用いられることがあります。
【体力低下に】全身の巡りをサポートする「足三里(あしさんり)」
足三里(あしさんり)は、膝のお皿のすぐ下、外側にあるくぼみから、すねの骨に沿って指4本分下がったところにあります。
古くから健脚や胃腸の調子を整える万能のツボとして知られ、全身のエネルギーを高める働きがあります。
体力が低下している時や、胃腸が弱って疲れやすい時に起こる、足元がふらつくようなめまいに効果的です。
全身の血の巡りを良くし、気力・体力を補うことで、めまいの根本的な原因となる体質からの改善をサポートします。
定期的に刺激することで、疲れにくい体づくりにも役立ちます。
効果を最大限に引き出す!正しいツボの押し方の基本
ツボ押しの効果を実感するためには、ただ闇雲に押すのではなく、正しい方法で行うことが重要です。
適切な強さ、時間、そして呼吸法を意識することで、体への刺激が的確に伝わり、効果を最大限に引き出すことができます。
ここでは、誰でも簡単に実践できるツボの押し方の基本ポイントを解説します。
これらの基本を押さえて、日々のセルフケアに安全かつ効果的にツボ押しを取り入れましょう。
「痛気持ちいい」と感じる強さで5秒間押すのがコツ
ツボを押す際の基本は、指の腹を使って、ツボに対して垂直にゆっくりと圧を加えることです。
強さは、「痛い」と感じる一歩手前の「痛気持ちいい」と感じる程度が最適です。
強すぎると筋肉を傷めたり、もみ返しが起きたりする原因となるため注意が必要です。
息をゆっくりと吐きながら5秒ほどかけて圧を加え、今度は息を吸いながら5秒ほどかけてゆっくりと力を抜きます。
この一連の動作を1セットとして、1つのツボに対して5〜10回程度繰り返すと良いでしょう。
焦らず、リラックスした状態で行うことが効果を高めるポイントです。
ツボ押しを行うと効果的なタイミング
ツボ押しは、心身がリラックスしている時に行うと最も効果的です。
特におすすめなのは、体が温まり血行が良くなっている入浴後や、心身を落ち着かせたい就寝前です。
これらの時間帯は副交感神経が優位になりやすく、ツボへの刺激が体に浸透しやすくなります。
また、朝起きた時にめまいやふらつきを感じる場合は、布団の中で行っても構いません。
めまいの症状が出た時に応急処置としてすぐに行うのも有効です。
ただし、満腹時や飲酒後は消化に影響を与えたり、気分が悪くなったりする可能性があるため避けるようにしましょう。
ツボ押しの効果を高める呼吸法
ツボ押しを行う際は、呼吸を意識することで効果をさらに高めることができます。
基本は、ゆっくりとした腹式呼吸です。
鼻からゆっくり息を吸い込みお腹を膨らませ、口からゆっくりと息を吐きながらお腹をへこませます。
この呼吸に合わせて、息を吐くときにツボを押し、息を吸うときに力を緩めるようにします。
深い呼吸は自律神経のバランスを整え、心身をリラックスさせる効果があります。
ツボ押しと呼吸を連動させることで、気の巡りがスムーズになり、刺激が体の深部まで届きやすくなります。
セルフケアの前に確認!ツボ押しを行う際の注意点
ツボ押しは手軽にできるセルフケアですが、安全に行うためにはいくつかの注意点があります。
良かれと思って行った刺激が、かえって症状を悪化させてしまう可能性もゼロではありません。
また、めまいの中には、速やかに医療機関を受診すべき危険なサインが隠れている場合もあります。
ツボ押しを始める前に、これから解説する注意点を必ず確認し、正しい知識を持って安全にセルフケアを行いましょう。
症状が悪化することも?強く押しすぎないように注意しよう
ツボ押しの効果を期待するあまり、つい力を入れすぎてしまうことがありますが、強すぎる刺激は逆効果です。
特に首周りにある風池などのツボは、多くの神経や血管が通るデリケートな場所であるため、強く押しすぎると神経を傷つけたり、血圧に影響を与えたりする危険性があります。
押した後に痛みが残ったり、あざになったりするのは明らかに強すぎです。
あくまで「痛気持ちいい」と感じる範囲に留め、症状が悪化したり、気分が悪くなったりした場合はすぐに中止してください。
自分の体の声に耳を傾けながら、優しく丁寧に行うことが重要です。
こんな症状が出たらすぐに医療機関へ!受診すべき危険なサイン
セルフケアで対処してはいけない危険なめまいも存在します。
これまでに経験したことのないような突然の激しいめまいに加え、ろれつが回らない、言葉が出にくい、物が二重に見える、顔や手足の片側がしびれる、力が入らない、激しい頭痛を伴うといった症状がある場合は、脳梗塞や脳出血といった脳の病気が強く疑われます。
これらの症状は一刻を争う緊急事態のサインです。
ツボ押しで様子を見ている場合ではありません。
このような症状が一つでも見られたら、ためらわずに救急車を呼ぶか、すぐに脳神経外科などの医療機関を受診してください。
めまいの再発を防ぐ!ツボ押しと併せて行いたい生活習慣の改善
めまいの症状を一時的に和らげるだけでなく、根本的な原因にアプローチし再発を防ぐためには、ツボ押しと並行して生活習慣を見直すことが不可欠です。
日々の食事や睡眠、運動といった生活の土台を整えることが、めまいが起こりにくい体質への改善、そして予防対策につながります。
ここでは、今日からすぐに始められる、めまい予防に効果的な生活習慣のポイントを3つ紹介します。
首や肩周りの緊張をほぐす簡単なストレッチ
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用は、首や肩周りの筋肉を緊張させ、血行不良を引き起こします。
これがめまいの原因となることは少なくありません。
仕事の合間や気づいた時に、簡単なストレッチを取り入れる習慣をつけましょう。
ゆっくりと首を左右に倒したり、前後にかしげたり、大きく肩を回したりするだけでも効果があります。
ポイントは、反動をつけず、ゆっくりと筋肉が伸びているのを感じながら行うことです。
毎日続けることで、筋肉の柔軟性が保たれ、頭部への血流が改善し、めまいの予防につながります。
こまめな水分補給で体内の巡りを整える
体内の水分が不足すると、血液が濃縮されて流れが悪くなり、脳への血流低下を招いてめまいの原因となることがあります。
特に夏場だけでなく、冬場の乾燥した環境や、無自覚のうちに汗をかいている睡眠中も水分は失われがちです。
喉が渇いたと感じる前に、こまめに水分を補給する習慣をつけましょう。
1日に1.5リットル程度を目安に、一度にがぶ飲みするのではなく、コップ1杯程度の量を数回に分けて飲むのが効果的です。
カフェインの入った飲み物は利尿作用があるため、常温の水や白湯、麦茶などを選ぶと良いでしょう。
質の良い睡眠で自律神経のバランスを保つ
睡眠は、日中の活動で疲れた心身を回復させ、乱れた自律神経のバランスを整えるために非常に重要です。
睡眠不足や睡眠の質が低下すると、自律神経が正常に機能しなくなり、めまいや頭痛、倦怠感など様々な不調を引き起こします。
質の良い睡眠を確保するためには、毎日なるべく同じ時間に就寝・起床し、生活リズムを整えることが基本です。
また、寝る直前の食事やスマートフォンの使用は避け、寝室を暗く静かな環境に整えるなど、リラックスして眠りにつける工夫をしましょう。
十分な睡眠時間を確保することが、めまい予防の基本です。
めまいのツボに関するよくある質問
めまいのツボについて、さらに詳しく知りたい方のために、ここではよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
セルフケアを続けていく中で生じる疑問や、改善が見られない場合の対処法など、より実践的な内容に触れていきます。
これらの情報を参考に、ツボ押しへの理解を深め、ご自身の症状改善に役立ててください。
Q1.ツボを押してもめまいが改善しない場合はどうすればいいですか?
セルフケアを続けても症状が改善しない場合や悪化するようであれば、他の病気が隠れている可能性も考えられるため、一度医療機関を受診してください。
また、東洋医学の観点からアプローチする鍼灸院に相談することも有効な選択肢の一つです。鍼(はり)やお灸(きゅう)による施術は、ツボを刺激し、体質からの改善を目指します。
市販の温灸器などを使う方法もありますが、専門家による診断と施術を受けることもご検討ください。
なお、鍼灸治療と医療機関での同一疾病に対する治療は、原則として健康保険の併用ができません。ただし、検査目的での医療機関受診や、鍼灸治療の対象外の疾患に対する医療機関での治療は可能です。
Q2.ツボ押しは1日に何回くらい行うのが効果的ですか?
ツボ押しは、1日に2〜3回を目安に、無理のない範囲で継続することが効果的です。
一度に長時間行うよりも、例えば朝起きた時、仕事の休憩中、夜寝る前など、生活の中に短時間でも組み込んで習慣化させることが重要です。
症状が特につらい時には、その都度行っても構いません。
ただし、1回の刺激は1つのツボにつき数分程度に留め、やりすぎないように注意しましょう。
Q3.めまいが起きやすい天候や時間帯はありますか?
めまいは、低気圧が近づいている雨の日や台風の時期など、天候が悪い時に起きやすい傾向があります。
これは、気圧の変動が内耳に影響を与え、自律神経のバランスを乱すためと考えられています。
また、時間帯としては、睡眠中から活動モードへと自律神経が切り替わる朝方に症状を訴える方が多いです。
血圧の変動も大きくなるため、起床時は特にゆっくりと行動することを心がけると良いでしょう。
まとめ
めまいの症状緩和には、原因や症状に応じたツボを正しく刺激することが有効です。
自律神経を整える「百会」や、首こりに効く「風池」などを、痛気持ちいい強さで押すことで、つらい症状の軽減が期待できます。
しかし、ツボ押しはあくまで対症療法の一つです。
再発を防ぐためには、ストレッチや十分な睡眠といった生活習慣の改善を併せて行う必要があります。
もし、激しい頭痛やしびれなど、危険なサインを伴うめまいが起きた場合は、セルフケアに頼らず、速やかに医療機関を受診してください。











