公開日:2026.01.08 更新日:2026.01.08

生理中に食欲がなくなったり、吐き気を感じたりするのは、多くの女性が経験する不調の一つです。
なぜこのような症状が起こるのか、その原因を知ることで不安を和らげることができます。
この記事では、生理中に食欲がなくなる理由から、つらい時の食事の工夫、セルフケアでできる対処法、そして病院を受診すべき目安までを詳しく解説します。
自分の体と向き合い、少しでも快適に過ごすためのヒントを見つけてください。
生理中に食欲がなくなる主な4つの原因
生理中に食欲がなくなるのには、いくつかの理由が考えられます。
主に女性ホルモンの変動が大きく関わっており、それに伴う心身の変化が影響します。
多くの女性が経験する症状であり、特別なことではありません。
具体的には、ホルモンの影響による胃腸機能の低下、生理痛などのストレス、貧血、服用している薬の副作用などが挙げられます。
これらの原因が単独、あるいは複数重なることで、食欲不振につながると考えられています。
原因①:胃腸の働きを低下させるホルモンの影響
生理中は、「プロスタグランジン」というホルモンが子宮の収縮を促し、経血を体外へ排出する働きをします。
このプロスタグランジンの分泌量が多いと、子宮だけでなく胃や腸など周辺の臓器も収縮させてしまうことがあります。
その結果、胃腸の働きが鈍くなり、胃もたれや吐き気、下痢といった不調を引き起こし、食欲不振につながるのです。
特に生理痛が重い人は、このホルモンの影響を強く受けやすい傾向にあります。
原因②:生理痛や心身の不調からくるストレス
生理期間中は、腹痛や頭痛、腰痛といった身体的な痛みだけでなく、イライラや気分の落ち込みなど精神的な不調を感じやすくなります。
これらの不快な症状が続くと、心身にとって大きなストレスとなります。
ストレスは自律神経のバランスを乱す主な原因の一つであり、交感神経が優位になることで消化器官の働きが抑制されてしまいます。
その結果、食欲がわかなくなったり、消化不良を起こしやすくなったりします。
原因③:鉄欠乏性貧血による体のだるさ
生理中は経血とともに多くの鉄分が体外へ排出されるため、鉄欠乏性の貧血に陥りやすい状態です。
鉄分は、全身に酸素を運ぶヘモグロビンの主成分であるため、不足すると体が酸欠状態になります。
これにより、倦怠感やめまい、立ちくらみ、頭痛といった症状が現れ、体全体の活力が低下します。
体がだるく、常に疲労感があると、食事を摂ること自体がおっくうに感じられ、結果として食欲不振につながることがあります。
原因④:鎮痛薬の副作用で胃に負担がかかっている
つらい生理痛を和らげるために鎮痛薬を服用する人も多いですが、薬の種類によっては副作用として胃に負担をかけることがあります。
特に、「NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)」に分類される鎮痛薬は、痛みの原因物質であるプロスタグランジンの生成を抑える一方で、胃の粘膜を保護する働きを持つプロスタグランジンまで減少させてしまいます。
これにより、胃の粘膜が荒れてしまい、胃痛や吐き気、食欲不振といった症状を引き起こす可能性があります。
食欲がない生理中に無理なく栄養を摂る食事の工夫
生理中で食欲がない時は、無理に普段通りのご飯を食べようとせず、少しでも口にしやすいものから栄養を摂る工夫が必要です。
胃腸に負担をかけず、体を温め、不足しがちな栄養素を補うことを意識した食事の対策を取り入れましょう。
食べられないからといって全く何も摂らないと、体力低下や貧血の悪化につながる可能性があります。
まずは少量からでも試せる、消化に良くて栄養のある食べ物を選んでみてください。
消化しやすく胃に優しい食べ物を選ぶ
食欲がない時は、胃腸に負担をかけない消化の良い食べ物を選びましょう。
温かいお粥やよく煮込んだうどん、野菜スープなどは、体を温めながら水分と栄養を同時に補給できます。
また、豆腐や茶碗蒸し、脂肪分の少ない鶏ささみなどもタンパク質を補うのに適しています。
食事が難しい場合は、栄養補助ゼリーやヨーグルト、バナナなどを少量ずつ口にするのがおすすめです。
冷たいものよりも常温や温かいものを選ぶと、胃への負担をさらに軽減できます。
体を内側から温める飲み物を飲む
生理中は体が冷えやすく、血行が悪くなりがちです。
体を内側から温める飲み物を飲むことで、血行が促進され、生理痛の緩和や胃腸の働きの改善が期待できます。
おすすめは、白湯やカフェインの入っていないハーブティー(カモミール、ジンジャーなど)、生姜湯です。
ココアや味噌汁なども体を温めるのに役立ちます。
逆に、冷たい飲み物は胃腸に負担をかけ、症状を悪化させる可能性があるため、できるだけ避けるようにしましょう。
貧血予防のために鉄分を意識して摂取する
生理中は鉄分が失われやすいため、貧血予防のために意識して鉄分を摂取することが大切です。
鉄分には、肉や魚に含まれる「ヘム鉄」と、野菜や豆類に含まれる「非ヘム鉄」があります。
ヘム鉄の方が吸収率が高いため、赤身の肉やレバー、カツオなどがおすすめです。
ほうれん草や小松菜、ひじきなどの非ヘム鉄は、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が上がります。
例えば、ほうれん草のスープにレモン汁を少し加えるといった簡単なレシピで工夫できます。
胃腸に負担をかける冷たい食べ物や脂っこい食事は避ける
生理中で胃腸の機能が低下している時は、刺激となる食べ物を避けることが重要です。
アイスクリームやかき氷などの冷たい食べ物は、胃腸を直接冷やし、働きをさらに鈍らせてしまいます。
また、揚げ物や脂肪分の多い肉類などの脂っこい食事は消化に時間がかかり、胃もたれや吐き気の原因となります。
香辛料を多く使った辛い料理や、コーヒーなどに含まれるカフェイン、アルコール類も胃を刺激するため、体調が優れない時は控えるようにしましょう。
食事以外でできる!生理中の食欲不振を和らげる3つの対処法
生理中の食欲不振に対して、食事の工夫以外にどうするべきか悩むこともあるでしょう。
そんな時は、セルフケアで心身をリラックスさせ、血行を促進することが症状の緩和につながります。
体を温めたり、十分な休息を取ったり、軽い運動を取り入れたりすることで、つらい症状を和らげることが可能です。
無理のない範囲で、自分に合った方法を見つけて試してみてください。
少しでも快適に過ごすための対処法を紹介します。
お腹や腰をカイロなどで温める
生理中に感じる腹痛や腰の重さは、血行不良が原因の一つです。
お腹や腰周りを温めることで、骨盤内の血流が良くなり、痛みの原因となるプロスタグランジンの排出を促す効果が期待できます。
使い捨てカイロや腹巻き、湯たんぽなどを活用して、じんわりと温めましょう。
また、ぬるめのお湯にゆっくり浸かる全身浴もおすすめです。
体が温まると筋肉の緊張がほぐれ、リラックス効果も得られるため、心身の不調緩和につながります。
リラックスできる時間を作り十分な休息をとる
生理中は心身ともにデリケートな状態であり、ストレスが症状を悪化させることがあります。
意識的にリラックスできる時間を作り、心と体を休ませることが大切です。
好きな香りのアロマを焚いたり、心地よい音楽を聴いたり、温かいハーブティーを飲んだりするのも良いでしょう。
また、ホルモンの影響で強い眠気を感じることも少なくありません。
そんな時は無理をせず、短時間の昼寝をするなどして、十分な睡眠と休息を確保するように心がけてください。
軽いストレッチで血行を促進する
生理痛やだるさがあると体を動かすのが億劫になりがちですが、軽いストレッチは血行を促進し、痛みの緩和に効果的です。
特に、股関節周りや骨盤底筋をほぐすストレッチは、滞りがちな下半身の血流を改善します。
ベッドの上で寝ながらできる簡単な動きや、座ったままできる開脚ストレッチなど、無理のない範囲で行いましょう。
体を動かすことで気分転換にもなり、ストレス軽減にもつながります。
ただし、痛みや不快感が強い時は無理をせず、休息を優先してください。
こんな症状は要注意!婦人科を受診すべき判断基準
生理中の食欲不振は多くの女性が経験する症状ですが、セルフケアで改善しない場合や、日常生活に大きな支障をきたす場合は注意が必要です。
我慢できないほどの痛みや吐き気は、子宮内膜症や月経困難症といった病気が隠れているサインかもしれません。
これから挙げるような症状が見られる場合は、自己判断で済ませずに、一度婦人科を受診して専門医に相談することをおすすめします。
水分補給さえも難しいほどの吐き気がある
食事が摂れないだけでなく、水やお茶などの水分補給さえも難しいほどの強い吐き気がある場合は、注意が必要です。
水分が全く摂れない状態が続くと、脱水症状を引き起こす危険があります。
脱水症状は、めまいや頭痛、倦怠感をさらに悪化させるだけでなく、重症化すると意識障害などを招くこともあります。
吐き気がひどくて何も口にできない状態が半日以上続くようであれば、早めに医療機関を受診してください。
日常生活を送れないほどのひどい腹痛や頭痛が続く
市販の鎮痛薬を飲んでも効かない、横になっていないと耐えられないほどのひどい腹痛や頭痛が続く場合も、受診を検討すべきサインです。
このような強い痛みは、単なる生理痛ではなく、「月経困難症」と診断される可能性があります。
また、子宮内膜症や子宮筋腫といった婦人科系の病気が原因で痛みが引き起こされているケースも少なくありません。
痛みを我慢し続けることは大きなストレスとなり、食欲不振をさらに悪化させるため、専門医に相談しましょう。
数kg単位で体重が急激に減少した
特別なダイエットをしていないにもかかわらず、生理のたびに体重が数kg単位で減る、あるいは全体的に体重が急激に減少した場合は、背景に何らかの病気が隠れている可能性があります。
生理中の食欲不振だけが原因とは考えにくく、甲状腺機能亢進症などの内分泌系の疾患や、消化器系の病気なども考えられます。
体重の急激な変化は、体が発している重要なサインです。
まずは婦人科やかかりつけの内科に相談してください。
めまいや立ちくらみが頻繁に起こる
生理による経血量が多く、貧血が重度になっている場合、めまいや立ちくらみが頻繁に起こることがあります。
まっすぐ歩けない、座っていても目が回る、少し動いただけで息切れがするといった症状は、重度の鉄欠乏性貧血のサインかもしれません。
このような状態を放置すると、日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、心臓に負担がかかることもあります。
サプリメントなどで自己判断せず、医師の診察を受け、適切な治療を開始することが重要です。
生理中の食欲不振に関するよくある質問
生理中の食欲不振について、多くの女性が抱える疑問や不安は共通していることが多いです。
ここでは、特によく寄せられる質問に対して、簡潔にお答えします。
自分の症状は異常なのか、何も食べなくても大丈夫なのか、といった心配を解消するための一助としてください。
もし症状が当てはまるようであれば、今後のセルフケアや医療機関への相談を検討する際の参考にしてください。
Q1.生理中に食欲がなくなるのは異常なことですか?
異常ではありません。
生理中のホルモンバランスの変化や生理痛によるストレスが原因で、胃腸の働きが低下し食欲不振になることは、多くの女性が経験する一般的な症状です。
ただし、日常生活に支障が出るほどつらい場合や、他の症状を伴う場合は、婦人科への相談をおすすめします。
Q2.食欲がない時、何も食べなくても問題ありませんか?
完全に何も食べないのは避けるべきです。
食欲ゼロの状態でも、エネルギー不足や貧血を防ぐために、ゼリー飲料やスープ、ヨーグルトなど消化しやすいものを少量でも口にしましょう。
特に水分補給は脱水症状を防ぐために非常に重要です。
食べない選択ではなく、食べられるものを探すことが大切です。
Q3.食欲不振はPMS(月経前症候群)でも起こりますか?
はい、起こります。
PMS(月経前症候群)の症状の一つとして、生理前にもホルモンバランスの変動によって食欲不振や吐き気が現れることがあります。
逆に、無性に食欲が増すという人もおり、症状の現れ方には個人差が大きいです。
生理前と生理中で症状が異なる場合もあります。
まとめ
生理中に食欲がなくなるのは、主にホルモンバランスの乱れや生理痛によるストレスが原因であり、多くの女性が経験する症状です。
無理に食事を摂る必要はありませんが、エネルギー不足や貧血を避けるため、お粥やスープなど消化が良く温かいものを少量でも口にすることが大切です。
体を温め、リラックスする時間を作るなどのセルフケアも症状緩和に役立ちます。
一方で、生理前に食欲が増して太ることを気にする人もいますが、まずは体調を優先しましょう。
水分も摂れないほどの吐き気や、日常生活に支障をきたすほどの痛みが続く場合は、婦人科の受診を検討してください。









