公開日:2026.01.03 更新日:2026.01.03

妊娠判定で陽性が出たものの、医師から「hCGの増え方がゆっくりですね」と言われると、不安な気持ちになるかもしれません。
hCGの伸び方が遅いと、流産や子宮外妊娠の可能性も指摘されるため、妊娠を継続できるのか心配になるのは当然です。
しかし、hCGの増え方が緩やかでも、その後の経過が順調に進み、無事に出産に至るケースは存在します。
この記事では、hCGの正常な増え方の目安や、伸びが遅い場合に考えられる原因、そして妊娠継続の可能性について解説します。
hCGの増え方がゆっくりでも妊娠継続の可能性はゼロではない
hCGの増え方が遅いと診断された場合でも、妊娠継続の可能性が完全に断たれたわけではありません。
hCG値の伸びには個人差があり、排卵日のズレや着床に時間がかかったことなどが原因で、一時的に数値が低く出ている可能性も考えられます。
大切なのは、一度の検査結果だけで判断するのではなく、その後の数値の推移や超音波検査(エコー検査)で胎嚢や心拍が確認できるかどうかを総合的に見ることです。
伸び方が緩やかであっても、週数相応に胎嚢が確認され、心拍が見えるようになれば、妊娠継続の可能性は高まります。
不安な気持ちは大きいですが、医師の指示に従いながら慎重に経過を見守ることが重要です。
そもそもhCGとは?妊娠を維持する重要なホルモン
hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)とは、妊娠すると胎盤の一部になる絨毛組織から分泌されるホルモンのことです。
主な働きは、妊娠を維持するために必要な女性ホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌を促すことです。
受精卵が子宮内膜に着床するとhCGの分泌が始まり、このホルモンが尿中や血液中に検出されることで妊娠したかどうかが分かります。
市販の妊娠検査薬は、尿中のhCGに反応する仕組みです。
hCGは妊娠週数が進むにつれて急激に増えるため、その増加率が胎児が順調に育っているかどうかの重要な指標の一つとなります。
妊娠初期のhCG値はどれくらい増える?正常な伸び方の目安
妊娠初期のhCG値は、妊娠が順調に進んでいるかを知るための大切な指標です。
特に体外受精など不妊治療中の場合、妊娠判定日やその後の経過観察でhCG値を測定することが多くなります。
この数値の伸び方には一定の目安がありますが、個人差も大きいため、あくまで参考として捉えることが重要です。
妊娠4週頃から数値は急激に増える傾向にあり、この時期の伸び方がその後の妊娠継続を判断する一つの材料とされます。
一般的な目安は1.5日で約2倍に増加する
妊娠初期におけるhCG値の正常な伸び方の目安として、よく「1.5日で約2倍」という基準が用いられます。
これは「倍加時間(ダブリングタイム)」と呼ばれ、hCG値が2倍になるまでにかかる時間を示します。
特に妊娠4週から6週頃にかけては、このペースで数値がぐんぐん増えるのが理想的とされています。
ただし、このペースはあくまで平均的な目安であり、すべての人に当てはまるわけではありません。
伸び方が多少緩やかでも、継続的に数値が増えることが確認できれば、妊娠が順調に進んでいる可能性はあります。
重要なのは一度の数値ではなく、定期的な検査による数値の推移です。
【週数別】hCG基準値の推移
hCG値は妊娠週数によって大きく変動し、個人差も非常に大きいため、明確な基準値というものはありません。
あくまで一般的な参考値として、妊娠4週で50~200mIU/mL、妊娠5週で500~5,000mIU/mL、妊娠6週で3,000~30,000mIU/mL程度とされています。
この範囲から外れていても、その後の超音波検査で胎嚢や心拍が確認できれば問題ない場合も多くあります。
特に、排卵日のズレによって実際の妊娠週数と計算上の週数が異なっていることも少なくありません。
自分の数値と参考値を比較して一喜一憂するのではなく、医師による総合的な診断を仰ぐことが大切です。
hCGの増え方が遅い場合に考えられる3つの原因
妊娠初期にhCGの増え方が遅いと指摘された場合、いくつかの原因が考えられます。
単に排卵日がずれていて、想定よりも妊娠週数が進んでいないだけのこともあれば、残念ながら妊娠の経過が順調でない可能性も考慮しなくてはなりません。
ここでは、hCGの伸びが遅い場合に考えられる主な3つの原因について解説します。
これらの原因を理解し、冷静に医師の診断を待つことが大切です。
原因①:着床時期の遅れや排卵日の計算違い
hCGの増え方が遅い原因として、まず考えられるのが生理的なズレです。
最終月経日から計算した予定週数と、実際の排卵日や受精卵の着床日がずれているケースは少なくありません。
排卵が予定より遅れたり、着床に時間がかかったりすると、hCGの分泌開始も遅れるため、想定していた週数の基準値よりも低い数値が出ることがあります。
この場合、病的な問題があるわけではなく、単なる週数の計算違いである可能性が高いです。
その後の検査でhCGが順調に増加し、超音波検査で週数相当の胎嚢が確認できれば、心配する必要はほとんどありません。
原因②:化学流産や稽留流産など流産の兆候
hCG値の伸び悩みは、残念ながら流産の兆候である可能性もあります。
特に、受精はしたものの着床が継続せず、ごく初期の段階で妊娠が中断してしまう「化学流産」の場合、hCG値が一時的に上昇した後に伸び悩んだり、低下したりします。
また、胎児の成長が子宮内で停止してしまう「稽留流産」の場合も、胎盤からのhCG分泌が止まるため、数値の伸びが停止します。
hCGの増え方が著しく悪い場合や、一度上昇した数値が下降に転じた場合は、流産の可能性を視野に入れて慎重な経過観察が必要になります。
原因③:子宮外妊娠(異所性妊娠)の可能性
hCGの伸びが緩やかな場合、注意が必要なのが子宮外妊娠(異所性妊娠)です。
これは、受精卵が子宮内膜以外の場所(卵管など)に着床してしまう状態で、正常な妊娠の継続はできません。
子宮外妊娠では、胎盤の元となる絨毛組織が十分に発育できないため、hCGの分泌量が少なく、数値の伸び方も非常に緩やかになる傾向があります。
子宮外妊娠を放置すると、着床した部分が破裂して大量出血を起こす危険性があるため、早期の診断と処置が不可欠です。
hCGの伸びが悪いことに加え、不正出血や下腹部痛(特に片側だけの痛み)がある場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。
【体験談】hCGの伸びが緩やかでも無事に出産できた事例
hCG値の伸びが緩やかだと診断されると、不安で仕方ない気持ちになりますが、実際にそのような状況から無事に出産まで至ったケースも数多く報告されています。
例えば、体外受精の判定日にhCG値が基準よりかなり低かったものの、その後の再検査で数値が着実に伸び始め、最終的に元気な赤ちゃんを出産したという体験談は少なくありません。
また、倍加時間が「1.5日で2倍」という理想的なペースには及ばなかったものの、ゆっくりと上昇を続け、無事に心拍確認を経て出産に至った例もあります。
これらの事例は、初期のhCG値だけが妊娠継続の全てを決めるわけではないことを示しています。
hCGの伸びが遅いと診断されたら心がけたい3つのこと
医師からhCGの増え方が遅いと告げられた後は、次の診察まで不安な日々を過ごすことになります。
この時期は精神的にも不安定になりがちですが、冷静に行動することが大切です。
赤ちゃんの生命力を信じつつも、万が一の事態に備えて自身の体調変化に気を配り、医療機関と連携を取れるようにしておく必要があります。
ここでは、不安な時期を過ごす上で心がけたい3つのポイントを解説します。
不正出血や腹痛といった体調変化に注意する
hCGの伸びが遅い場合、流産や子宮外妊娠の可能性も考えられるため、体調の変化には特に注意が必要です。
少量の茶色い出血やピンク色のおりものが見られることは妊娠初期によくありますが、鮮血の出血や量が増える場合、また、生理痛のような痛みではなく、下腹部に持続的な痛みや片側だけの強い痛みがある場合は、すぐに医療機関に連絡してください。
これらの症状は、切迫流産や子宮外妊娠のサインである可能性があります。
自身の体調を注意深く観察し、普段と違うと感じたら、ためらわずに医師に相談することが重要です。
自己判断での薬やサプリメントの服用は避ける
妊娠継続のために何かできることはないかと、薬やサプリメントに頼りたくなる気持ちも理解できますが、自己判断での服用は絶対に避けてください。
妊娠初期は、胎児の重要な器官が形成される非常にデリケートな時期です。
医師から処方された薬以外を服用すると、赤ちゃんに予期せぬ影響を与えてしまう可能性があります。
特に海外製のサプリメントや、効果が科学的に証明されていない健康食品などには注意が必要です。
黄体ホルモン補充の薬など、妊娠継続に必要な治療は医師の管理下で行われます。
不安な気持ちから何かにすがりたくなりますが、まずは医師の指示に従うことが最優先です。
不安な点はかかりつけ医に相談し指示を仰ぐ
インターネットで検索すると、さまざまな情報や体験談が見つかりますが、それらはあくまで他人のケースであり、自分の状況に当てはまるとは限りません。
情報に振り回されて一喜一憂するのではなく、自身の状態を最も正確に把握しているかかりつけ医に相談することが最も重要です。
不安な気持ちや疑問に思う点は正直に医師に伝え、納得できるまで説明を求めましょう。
医師はhCG値だけでなく、超音波検査の結果や母体の健康状態などを総合的に見て判断します。
次の診察日や、どのような症状があれば連絡すべきかなどを具体的に確認し、医師の指示を仰ぐことが、不安な時期を乗り越えるための最善の方法です。
hCGの増え方がゆっくりなことに関するよくある質問
hCGの増え方がゆっくりだと診断された方々から、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。
不安な気持ちを少しでも解消するため、参考にしてください。
ただし、最終的な判断は必ずかかりつけの医師に仰ぐことが大切です。
Q. hCGの値が基準より低くても出産できる?
はい、出産できる可能性はあります。
妊娠初期のhCG値には大きな個人差があり、着床時期のズレなどで一時的に低く出ているだけの場合も少なくありません。
大切なのは一度の数値ではなく、その後の伸び率です。
継続的に数値が増加し、超音波検査で胎嚢や心拍が確認できれば、妊娠継続の可能性は高まります。
Q. 再検査で数値を確認するのはいつ頃?
医師の判断によりますが、一般的には初回の検査から2日後~1週間後に行われることが多いです。
hCG値が1.5日~2日で約2倍に増えるという目安(倍加時間)があるため、数日間の間隔をあけて数値を比較し、その伸び率を確認することが目的です。
具体的な再検査のタイミングは、かかりつけ医の指示に従ってください。
Q. hCG値が途中から急激に伸びることはある?
はい、その可能性はあります。
例えば、排卵日や着床日が想定より遅れていた場合、初期のhCG値は低くなりますが、胎盤の機能が本格的に働き始めると、そこから急激に数値が増えることがあります。
ただし、これはあくまで可能性の一つです。
過度な期待はせず、医師による慎重な経過観察と診断を待つことが重要です。
まとめ
hCGの増え方がゆっくりであっても、妊娠継続や出産の可能性がゼロになるわけではありません。
排卵日のズレなどが原因であることも多く、その後の経過で順調に数値が伸びるケースもあります。
しかし、一方で流産や子宮外妊娠といったリスクの兆候である可能性も否定できません。
最も重要なのは、インターネットの情報に一喜一憂せず、かかりつけ医の診断と指示に従うことです。
不正出血や腹痛などの体調変化に注意し、不安な点は医師に相談しながら、冷静に経過を見守りましょう。










