蜂窩織炎(ほうかしきえん)について

こんばんは副院長の高野です。
本日は捻挫や挫傷との鑑別が必要な蜂窩織炎(ほうかしきえん)についてお伝えいたします。
蜂窩織炎は皮膚の感染症の一種であり、「蜂巣炎(ほうそうえん)」とも呼ばれます。
身近な病気で、40~500人に1人は蜂窩織炎にかかります。

蜂窩織炎とは
蜂窩織炎は皮膚深部から皮下脂肪の部分にかけて細菌が感染した状態です。
人の皮膚の下には皮下脂肪があり、皮下脂肪の下には筋肉が存在します。
この皮膚の層構造の深いところから皮下脂肪にかけて細菌が感染した状態を蜂窩織炎と呼びます。

原因は
擦り傷や虫さされなどの傷、アトピーや湿疹、とびひや水虫などで皮膚のバリア機能が破られた状態での細菌感染です。
人間の皮膚は細菌に対して非常に強いバリアを持っています。
通常、細菌が皮膚に付着したからといって、簡単には感染しません。
しかしこの強力な皮膚バリアが上記のような何らかの理由で破られてしまうと、そこから細菌が侵入して感染します。
原因となる菌としては、溶連菌と黄色ブドウ球菌の2種類が一般的です。
これらはどちらも私たちの生活環境に生息する菌で、いたるところに存在しています。

症状は
腫れや痛み、発熱、寒気、関節痛やだるさなど
蜂窩織炎にかかると、皮膚が赤く腫れて熱をおび、触ると痛みを伴います。
関節痛、倦怠感などの全身症状が出ることもあります。
皮膚よりやや深いところに起きる症状であり、患部を押したり動かしたりすると痛むので捻挫や挫傷などと錯誤しないことが大切です。
自己判断せず、医療機関を受診して確認をしてもらってください。
最後までお読みいただきありがとうございました。