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五十肩は放置しても治る?治るまでの期間と後遺症を残さない治し方

公開日:2026.03.31 更新日:2026.04.01

五十肩は放置しても治る?治るまでの期間と後遺症を残さない治し方

「そのうち治るだろう」と軽く考えていた肩の痛みが、夜も眠れないほどの激痛に変わったり、腕が上がらずに着替えさえ困難になったりしていませんか。
いわゆる「五十肩」は多くの人が経験する症状ですが、放置すると痛みが引いた後も肩が動かなくなる後遺症が残る可能性があります。

この記事では、五十肩が自然に治るのかという疑問に答え、症状の進行段階や正しい治し方、やってはいけないNG行動までを詳しく解説します。

五十肩は放置しても自然に治るのか?【結論】

五十肩の痛みは、時間の経過とともに自然に軽快することが多いです。
しかし、痛みがなくなったからといって完全に治ったわけではありません。
痛みをかばって肩を動かさないでいると、関節を包む袋である「関節包」が硬くなり、肩の動きが著しく制限される「拘縮(こうしゅく)」という後遺症が残るリスクがあります。

そのため、適切な時期に適切な対処を行うことが重要です。

痛みが消えても肩が動かなくなる後遺症が残るリスクがある

五十肩を放置した場合の最大のリスクは、肩関節の動きが悪くなる「拘縮」です。

痛みが和らいだ後に、腕が以前のように上がらなくなったり、背中に手が回らなくなったりと、日常生活に支障をきたすことがあります。

この状態は、炎症によって関節包が厚く硬くなってしまうために起こります。

一度拘縮が完成してしまうと、改善には長い時間とリハビリが必要になるため、早期の対応が求められます。

完治までの期間は数ヶ月から2年以上かかることも

五十肩が完全に治るまでの期間には個人差が大きく、一般的には6ヶ月から2年程度かかるといわれています。
症状は「急性期」「慢性期」「回復期」という3つの段階を経て進行し、それぞれの期間の長さも人によって異なります。

適切な治療やセルフケアを行わずに放置すると、症状が長引いたり、後遺症が残ったりする可能性が高まります。

症状は「急性期」「慢性期」「回復期」の3段階で進行する

五十肩の症状は、大きく3つの時期に分けられます。
最初は炎症による激しい痛みが特徴の「急性期(炎症期)」、次に痛みは少し和らぐものの肩が固まって動きにくくなる「慢性期(拘縮期)」、そして最後に痛みが引き、徐々に肩の動きが改善していく「回復期」です。

それぞれの時期で症状の特性が異なるため、その段階に合った対処法を選択することが、早期回復と後遺症予防の鍵となります。

あなたの五十肩はどの段階?症状でわかるセルフチェック

五十肩の症状は一定ではなく、時間とともに変化していきます。
自分の症状が今どの段階にあるのかを把握することは、適切な対処法を見つけるための第一歩です。
ここでは、各時期に特徴的な症状を解説しますので、ご自身の状態と照らし合わせてみてください。

ズキズキとした激しい痛みが特徴の「急性期(炎症期)」

発症から数週間続くこの時期は、炎症が最も強い段階です。
じっとしていてもズキズキと痛む「安静時痛」や、夜間に痛みが強くなる「夜間痛」が特徴で、眠れないほどの激痛に襲われることも少なくありません。
腕を少し動かすだけでも激痛が走るため、肩を動かすことが困難になります。

この時期は無理に動かさず、安静にすることが最も重要です。

肩が固まって動かしにくくなる「慢性期(拘縮期)」

急性期の激しい痛みが少し和らぐと、慢性期に移行します。
この段階では、痛みよりも肩の動かしにくさ、つまり「可動域制限」が主な症状となります。
髪をとかす、服の袖に手を通す、背中のファスナーを上げるなどの特定の動作で痛みや突っ張り感が出ます。

肩関節が固まり始める時期であり、日常生活への支障が大きくなるのが特徴です。
期間は数ヶ月から1年ほど続くこともあります。

痛みが和らぎ徐々に可動域が広がる「回復期」

慢性期を過ぎると、痛みはさらに軽減し、固まっていた肩関節の可動域が少しずつ広がってくる回復期に入ります。
動かした際の痛みや突っ張り感はまだ残っていますが、日常生活での支障は徐々に少なくなっていきます。

この時期には、固まった関節の柔軟性を取り戻すための積極的なリハビリテーションやストレッチが効果的です。
完全に元の状態に戻るまでには数ヶ月以上かかる場合があります。

その肩の痛みは本当に五十肩?似ている病気との見分け方

肩の痛みや腕が上がらないといった症状は、五十肩以外にもさまざまな病気の可能性があります。
自己判断で「ただの五十肩だ」と思い込んでいると、適切な治療の機会を逃してしまうかもしれません。
ここでは、五十肩と症状が似ている代表的な病気について解説します。

夜間の激痛や腕が上がらない場合は「腱板断裂」の可能性も

腱板断裂は、肩を動かすための重要な筋肉(腱)が切れてしまう怪我です。
五十肩と同様に夜間痛や可動域制限が起こりますが、特徴的な違いもあります。
五十肩では、痛みはあっても他人の補助があれば腕を上げられることが多いのに対し、腱板断裂では自分の力でも他人の力でも腕が上がらないことがあります。

また、腕を上げる際に特定の角度で痛みが出たり、ジョリジョリという音がしたりするのも特徴です。

突然の激痛で始まる「石灰沈着性腱板炎」

ある日突然、肩にこれまで経験したことのないような激痛が走り、腕を全く動かせなくなるのが石灰沈着性腱板炎の特徴です。
これは、肩の腱板内にリン酸カルシウムの結晶(石灰)が沈着し、急性の炎症を引き起こす病気です。
痛みは五十肩の急性期よりも強烈な場合が多く、夜間に発症することも少なくありません。

レントゲン検査で石灰の沈着を確認することで診断できます。

首から腕にかけてしびれがあれば「頚椎の病気」も疑う

肩の痛みだけでなく、首や肩甲骨周りの痛み、腕から指先にかけてのしびれやだるさ、力の入りにくさなどを伴う場合は、首の骨(頚椎)に原因がある可能性が考えられます。
加齢による頚椎の変形(変形性頚椎症)や、椎間板が飛び出す頚椎椎間板ヘルニアなどが神経を圧迫することで、肩や腕に症状が出ることがあります。
首を動かすと症状が変化する場合も、頚椎の病気を疑うサインです。

五十肩を悪化させないために!症状の時期に合わせた正しい治し方

五十肩の治療で最も大切なのは、症状がどの段階にあるかを見極め、その時期に合った対処をすることです。
誤ったケアは症状を悪化させ、回復を遅らせる原因にもなりかねません。
「急性期」「慢性期」「回復期」のそれぞれの段階で推奨される治し方について解説します。

【急性期】まずは安静第一!無理に動かさず炎症を抑える

激しい痛みが特徴の急性期は、炎症を鎮めることが最優先です。
痛みを我慢して無理に動かしたり、ストレッチをしたりすると炎症が悪化するため絶対に避けましょう。
なるべく肩を使わないように安静を保ち、必要であれば三角巾やアームスリングで腕を吊って肩の負担を減らします。

痛みが強い場合は、炎症を抑える効果のある消炎鎮痛剤の湿布を使用したり、内服薬を服用したりすることも有効です。

【慢性期】血行を促進し温めながら少しずつ動かすリハビリを開始

激しい痛みが落ち着き、動かしにくさが主症状となる慢性期には、温めて血行を良くしながら、痛みのない範囲で少しずつ肩を動かすリハビリを開始します。
入浴で肩をしっかり温めた後や、蒸しタオルなどで温めてから行うと効果的です。

振り子のように腕を前後にゆっくり振る「コッドマン体操(振り子運動)」など、肩に負担の少ない運動から始め、固まった関節がそれ以上硬くならないようにすることが目的です。

【回復期】可動域を広げるための積極的なストレッチを実践

痛みがかなり和らいできた回復期は、狭くなった可動域を元に戻すための積極的なリハビリが中心となります。
慢性期から行ってきた運動に加え、壁に手をついて腕を上げていく「壁伝い運動」や、タオルや棒を使って良い方の手で痛い方の腕を導きながら可動域を広げる運動などを取り入れます。
少し突っ張る感じがする程度まで、ゆっくりと筋肉や関節包を伸ばしていくことがポイントです。

自宅でできる!五十肩の痛みを和らげるセルフケア方法

専門的な治療と並行して、自宅でのセルフケアを適切に行うことで、五十肩のつらい症状を和らげ、回復を早めることが期待できます。
ここでは、日常生活の中で手軽に取り入れられるストレッチや、痛みを軽減する工夫について具体的に紹介します。

固まった肩まわりをほぐす簡単なストレッチ3選

慢性期から回復期にかけては、自宅でのストレッチが有効です。
ただし、決して無理はせず、痛みを感じない範囲で行いましょう。
振り子運動(コッドマン体操):痛くない方の手でテーブルなどに寄りかかり、痛い方の腕をだらりと下げて、振り子のように前後左右にゆっくりと揺らします。
壁伝い運動:壁に向かって立ち、痛い方の腕の指を壁につけて、ゆっくりと指を這わせるように腕を上げていきます。

タオル体操:背中の後ろでタオルの両端を持ち、痛くない方の手でタオルを上に引き、痛い方の腕をゆっくりと引き上げます。

痛みを軽減するための睡眠時の正しい姿勢と寝方

特に急性期の夜間痛は睡眠の妨げになります。
寝方を工夫することで、痛みを軽減できる場合があります。
基本は仰向けで寝ることです。

痛い方の腕の下に、折りたたんだバスタオルやクッションを置いて、肩が少し高くなるように安定させると楽になります。
横向きで寝る場合は、痛い方を上にして、抱き枕などを抱えて腕を乗せると、肩への負担が減り痛みが和らぎます。

湿布や市販の痛み止めを効果的に使うタイミング

市販薬も症状緩和に役立ちます。
湿布は、熱感やズキズキとした痛みがある急性期には、炎症を抑える「冷湿布」が適しています。
一方、慢性期以降の鈍い痛みやこわばりには、血行を促進する「温湿布」が効果的です。

市販の痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬)は、痛みが強くて日常生活や睡眠に支障が出る場合に、無理せず使用すると良いでしょう。
ただし、長期間の使用は避け、症状が続く場合は医療機関を受診してください。

五十肩の治療でやってはいけない3つのNG行動

良かれと思ってやったことが、かえって五十肩の症状を悪化させてしまうケースは少なくありません。
特に痛みが強い時期の誤った対処は、炎症を長引かせ、回復を遅らせる原因となります。
ここでは、五十肩の治療中に避けるべき代表的なNG行動を3つ紹介します。

痛みを我慢して無理やり肩を動かす

「動かさないと固まってしまう」という思い込みから、激しい痛みを我慢して無理に腕を動かしたり、ストレッチをしたりするのは最も危険な行為です。
特に炎症が起きている急性期に無理に動かすと、炎症がさらに悪化し、結果として回復が大幅に遅れてしまいます。
痛みは体からの「これ以上動かさないで」というサインです。

痛みが強い時期は安静を心がけてください。

自己判断による強いマッサージやストレッチ

肩こりと勘違いして、痛い部分を強く揉んだり、力任せにストレッチしたりすることも避けるべきです。
五十肩は筋肉だけでなく、関節を包む関節包や腱などが炎症を起こしている状態です。

専門家ではない人が自己判断で患部を強く刺激すると、炎症を起こしているデリケートな組織をさらに傷つけ、症状を悪化させる可能性があります。

痛い方の肩を下にして横向きで寝る

睡眠中の姿勢も重要です。
無意識のうちにやってしまいがちですが、痛い方の肩を下にして横向きで寝ると、患部が体重で圧迫されてしまいます。

圧迫によって血行が悪くなったり、炎症が強まったりして、痛みの増悪につながることがあります。
寝るときは、できるだけ痛い方の肩を上にしたり、仰向けで寝たりするなどの工夫が必要です。

症状が改善しないときは病院へ!整形外科での専門的な治療法

セルフケアを続けても痛みが一向に改善しない場合や、日常生活への支障が大きい場合は、自己判断で抱え込まずに専門医の診察を受けることが重要です。
医療機関では、正確な診断に基づいた専門的な治療を受けることができ、早期回復や後遺症の予防につながります。

五十肩の診察や治療は何科を受診すべきか

肩の痛みや動きの制限で悩んだら、まずは整形外科を受診しましょう。
整形外科では、問診や身体診察に加え、レントゲンや超音波、MRIなどの画像検査を行うことで、五十肩なのか、あるいは腱板断裂や石灰沈着性腱板炎といった他の病気なのかを正確に診断できます。

正しい診断が、適切な治療への第一歩となります。

痛みを直接抑える注射(ヒアルロン酸・ステロイド)の効果

痛みが非常に強い場合や、飲み薬・湿布で効果が見られない場合には、注射による治療が検討されます。
関節の潤滑油の役割を果たす「ヒアルロン酸注射」は、関節の動きを滑らかにし、痛みを和らげる効果があります。
炎症を強力に抑える作用のある「ステロイド注射」は、特に急性期の激しい痛みに対して高い効果が期待できます。

これらの注射は痛みを軽減させ、リハビリをスムーズに進める目的でも行われます。

専門家と行うリハビリテーションで可動域を改善

整形外科での治療の柱となるのが、理学療法士などの専門家によるリハビリテーションです。
個々の患者の症状の時期や可動域の状態を評価し、その人に合った適切な運動療法を指導してくれます。
温熱療法や電気治療などの物理療法を組み合わせることもあります。

専門家の指導のもとで正しいリハビリを行うことで、自己流で行うよりも安全かつ効果的に関節の可動域を改善できます。

長引く場合に検討される手術療法という選択肢

ほとんどの五十肩は、リハビリテーションなどの保存療法で改善しますが、数ヶ月から半年以上治療を続けても症状の改善が見られない場合や、拘縮が重度で日常生活に大きな支障が出ている場合には、手術が検討されることもあります。
近年では、関節鏡を用いた低侵襲な手術(関節鏡視下関節包解離術)が主流で、固くなった関節包を切り離して、肩の動きを改善します。

五十肩に関するよくある質問

ここでは、五十肩に関して多くの方が抱く疑問について、簡潔にお答えします。

Q1.五十肩が一瞬で治るストレッチはありますか?

残念ながら、五十肩が一瞬で治るような魔法のストレッチは存在しません。
五十肩は肩関節周囲の組織が炎症を起こし、硬くなることで生じるため、回復には時間が必要です。
症状の時期に合わせた適切なストレッチを継続的に行うことで、少しずつ改善を目指すことが大切です。

Q2.五十肩になりやすい人の特徴はありますか?

明確な原因は不明ですが、40代以降で発症しやすい傾向があります。
また、デスクワークなどで長時間同じ姿勢でいる人や、運動不足の人、猫背気味の人などは、肩周りの筋肉が硬直し血行が悪くなりやすいため、五十肩のリスクが高まる可能性があります。

Q3.五十肩の再発を予防する方法はありますか?

肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)は再発を繰り返す可能性があるため、注意が必要です。予防には、日頃から適度な運動を心がけ、肩甲骨周りの筋肉の柔軟性を保つことが重要です。ラジオ体操やストレッチを習慣にし、肩周りの血行を良くしておくことが、発症リスクの軽減につながります。

まとめ

五十肩の痛みは時間とともに和らぐことが多いものの、放置すると肩が動かなくなる後遺症が残るリスクを伴います。
症状の経過は「急性期」「慢性期」「回復期」の3段階に分かれ、それぞれの時期に適した対処を行うことが、後遺症を残さず早期に回復するための鍵となります。
激しい痛みが続く場合や、セルフケアで改善が見られない場合は、腱板断裂など他の病気の可能性も考えられるため、整形外科を受診して正確な診断を受けることが重要です。

この記事の監修者

成澤佳希

成澤 佳希

錦糸町はり灸院 院長

日本健康医療専門学校卒業後、株式会社ブレイシングに入社。
系列院の本八幡鍼灸院で7年勤務した後、錦糸町はり灸院に異動。
現在は勤務10年目となり、錦糸町はり灸院の院長として従事。
不妊、男性不妊、自律神経症状などの幅広く貢献している。

《資格》

はり師、きゅう師

《経歴》

日本健康医療専門学校

錦糸町はり灸院

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