公開日:2026.02.17 更新日:2026.02.17

「筋トレをすれば子宮筋腫がなくなるかもしれない」という期待を持つ人がいる一方で、運動が症状に与える影響について不安を感じる人も少なくありません。
この記事では、筋トレが子宮筋腫に与える影響について、医学的な観点から解説します。
筋トレだけで子宮筋腫をなくすことは困難ですが、適度な運動は症状の緩和や進行の抑制に良い影響を与える可能性があります。
安全に運動を続けるための具体的な方法や注意点、日常生活でできるセルフケアについても紹介します。
結論:筋トレだけで子宮筋腫をなくすのは医学的に困難
現時点において、筋トレによって子宮筋腫が完全になくなる、あるいは小さくなるという医学的根拠は確立されていません。
子宮筋腫は子宮の筋肉にできる良性の腫瘍であり、その発生や成長には女性ホルモンが深く関わっています。
筋トレは直接的にこの腫瘍を消し去る治療法ではありません。
むしろ、腹部に強い圧力がかかる腹筋運動などは、子宮を過度に刺激し、痛みや出血といった症状を悪化させるリスクも考えられます。
そのため、運動が子宮筋腫の治療の代わりになるという考えは危険です。
ただし、筋トレを含む適度な運動が、体質改善を通じて間接的に良い影響をもたらす可能性は指摘されています。
筋トレが子宮筋腫の進行抑制に良いとされる3つの理由
筋トレが子宮筋腫を直接なくすわけではありませんが、体質を改善し、筋腫の成長を抑制したり症状を緩和したりする効果が期待されています。
その主な理由として、血行促進による冷えの改善、肥満解消に伴う女性ホルモンの分泌抑制、そしてホルモンバランスの正常化が挙げられます。
これらの要素は、子宮筋腫の悪化要因に間接的にアプローチし、健やかな体づくりをサポートするものです。
ここでは、それぞれの理由について詳しく解説します。
血行を促進して体の冷えを改善する
筋トレによって筋肉量が増加すると、基礎代謝が向上し、体内でより多くの熱が産生されるようになります。
これにより体温が上昇し、慢性的な冷えの改善が期待できます。
特に、骨盤周りの血行不良は子宮や卵巣の機能を低下させ、子宮筋腫の症状を悪化させる一因と考えられています。
下半身を中心としたトレーニングで血流を促すことで、骨盤内に新鮮な血液と栄養素が行き渡りやすくなり、子宮環境を整えることにつながります。
体の冷えが改善されると、月経痛などの関連症状が和らぐ効果も期待できるため、血行促進は重要なポイントです。
肥満解消によりエストロゲンの過剰分泌を防ぐ
子宮筋腫は、女性ホルモンであるエストロゲンの影響を受けて大きくなる性質があります。
エストロゲンは主に卵巣から分泌されますが、実は脂肪細胞からも産生されるため、体脂肪が多い肥満の状態ではエストロゲンが過剰に分泌されやすくなります。
この過剰なエストロゲンが子宮筋腫の成長を促進してしまう可能性があります。
筋トレは、筋肉量を増やして基礎代謝を上げ、脂肪を燃焼しやすくする効果があります。
継続的なトレーニングによって肥満が解消されれば、脂肪細胞からのエストロゲン分泌が抑えられ、結果として子宮筋腫の成長スピードを緩やかにする効果が期待できます。
ホルモンバランスの乱れを整える効果が期待できる
過度なストレスは自律神経の働きを乱し、それがホルモンバランスの乱れにつながることが知られています。
ホルモンバランスが不安定になると、エストロゲンの分泌にも影響が及び、子宮筋腫の成長や症状悪化に関わる可能性があります。
筋トレをはじめとする適度な運動は、気分転換やストレス解消に非常に効果的です。
運動中に分泌されるセロトニンなどの神経伝達物質は、精神的な安定をもたらします。
リズミカルな運動や集中して体と向き合う時間は、ストレスを軽減し、乱れがちな自律神経を整える助けとなります。
これにより、間接的にホルモンバランスが安定し、子宮筋腫にとって好ましい体内環境を維持しやすくなります。
▼自律神経の乱れを和らげるケアについてより詳しく知りたい方はこちら
自律神経失調症をすぐ改善するツボとは?首や手で不安を落ち着かせる
子宮筋腫があっても安心!症状緩和におすすめの運動
子宮筋腫がある場合、運動選びは慎重に行う必要があります。
腹部に過度な圧力をかけず、体に大きな負担をかけない運動を選ぶことが重要です。
激しい運動は症状を悪化させる可能性がありますが、体に優しい運動は血行を促進し、心身のバランスを整えることで症状緩和につながります。
ここでは、子宮筋腫があっても比較的安全に取り組むことができ、体質改善にも役立つおすすめの運動を3つ紹介します。
自分の体調と相談しながら、無理のない範囲で取り入れてみてください。
下半身の血流を促す緩やかなスクワット
スクワットは下半身の大きな筋肉を効率よく鍛え、全身の血行促進に役立つトレーニングです。骨盤周りの血流改善にもつながることが期待されます。ただし、行う際は「緩やか」な動作を心がけることが重要です。腹圧をかけすぎないよう、息を止めずにゆっくりと動作しましょう。
深く腰を落としすぎず、膝がつま先より前に出ないよう注意しながら、お尻を後ろに引くイメージで行うのがポイントです。これにより、身体への負担を最小限に抑えながら、安全に下半身を強化し、血行を促進させることが可能です。体調に合わせて無理なく運動を行うようにしましょう。
自律神経を整えるヨガやピラティス
ヨガやピラティスは、深い呼吸とともに行うストレッチ中心の動きが特徴で、心身のリラックスに非常に効果的です。
これらの運動は、ストレスによって乱れがちな自律神経のバランスを整える助けとなります。
自律神経が整うと、ホルモンバランスの安定にもつながり、子宮筋腫の症状緩和に良い影響を与えることが期待できます。
特に、骨盤底筋群を意識したポーズや、股関節周りを柔軟にする動きは、骨盤内の血行を促進します。
ただし、腹部を強く圧迫したり、過度にねじったりするポーズは避け、心地よいと感じる範囲で行うことが大切です。
リラックス効果も高いため、精神的な安定にも寄与します。
気分転換にもなるウォーキングなどの有酸素運動
ウォーキングや軽いジョギング、水泳といった有酸素運動は、全身の血流を促進し、心肺機能を高めるのに役立ちます。長時間継続して行うことで脂肪燃焼効果も期待でき、肥満解消の観点から女性ホルモンバランスの改善に繋がり、子宮筋腫の進行を緩やかにする可能性が考えられます。また、リズミカルな運動は、ストレスホルモン「コルチゾール」の分泌を抑制し、女性ホルモンの分泌リズムを安定させることで、ストレス軽減や気分のリフレッシュに良い影響をもたらします。
特別な器具も必要なく、自分のペースで始められる手軽さも魅力です。無理に速度を上げる必要はなく、「少し息が弾むけれど、会話はできる」程度の強度で、景色を楽しみながら行うと、心身ともに良い影響がもたらされます。
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注意!子宮筋腫の症状を悪化させる可能性のある運動
子宮筋腫の症状緩和や進行抑制のために運動を取り入れることは有益ですが、すべての運動が推奨されるわけではありません。
運動の種類によっては、かえって子宮に負担をかけ、痛みや出血などの症状を悪化させてしまう危険性があります。
特に、腹部に強い圧力がかかる動きや、体に急激な負荷をかけるトレーニングは注意が必要です。
ここでは、子宮筋腫がある場合に避けるべき運動の具体例を解説し、なぜそれらが推奨されないのかを説明します。
腹部に強い圧力がかかる腹筋運動
上体を勢いよく起こすような一般的な腹筋運動(クランチやシットアップ)は、腹部に直接強い圧力をかけます。
この腹圧が子宮筋腫を圧迫し、刺激となることで、下腹部痛や不正出血といった症状を引き起こしたり、悪化させたりする可能性があります。
特に筋腫が大きい場合や、漿膜下筋腫(子宮の外側にできるタイプ)の場合は、物理的な刺激による影響を受けやすいと考えられます。
腹筋を鍛えること自体が悪いわけではありませんが、子宮筋腫がある場合は、腹圧のかかりにくいドローイン(お腹をへこませる運動)など、より穏やかな方法を選ぶべきです。
安全を最優先し、直接的な腹筋運動は控えるのが賢明です。
体に大きな負担をかける高負荷のウエイトトレーニング
高重量を扱うウエイトトレーニングでは、瞬間的に強い腹圧がかかります。息を止めて力を入れる動作は、子宮やその周辺の血管に負担をかける可能性があります。このような急激な圧力は、子宮筋腫からの出血や痛みに影響を与える可能性も指摘されています。
また、過度なトレーニングは身体にとって大きなストレスとなり、ホルモンバランスに影響を及ぼす可能性もあります。筋力をつけたい場合は、重い重量を1回持ち上げるよりも、軽い負荷で回数を多くこなすトレーニング方法に切り替えるなど、体に過度な負担をかけない工夫が推奨されます。
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無理なく筋トレを継続するための2つのポイント
子宮筋腫の症状緩和や体質改善のために運動を始めるなら、何よりも「継続」が重要です。
しかし、義務感や焦りから無理をしてしまうと、かえって体調を崩したり、運動がストレスになったりして長続きしません。
特に子宮筋腫がある場合は、日々の体調の変化に敏感であることが求められます。
ここでは、心身に負担をかけず、安全に、そして楽しく筋トレを生活の一部として続けていくための、基本的な心構えを2つ紹介します。
体調が優れない日は無理せず休む
子宮筋腫があると、月経周期や筋腫の状態によって、下腹部痛、腰痛、貧血、倦怠感など、日によって体調が大きく変動することがあります。
特に月経中やその前後は症状が強まる傾向にあります。
そのような体調が優れない日に無理してトレーニングを行うと、症状を悪化させるだけでなく、怪我のリスクも高まります。
自分の体の声に正直に耳を傾け、「今日は休む日」と割り切る勇気が大切です。
休息もトレーニングの一環と捉え、体調が良い日にまた再開すれば問題ありません。
無理をしないことが、結果的に運動習慣を長く続けるための最も重要な秘訣となります。
「毎日」ではなく週2〜3回のペースから始める
運動を始めようと決意したとき、「毎日頑張る」と高い目標を立ててしまいがちですが、これは挫折の大きな原因となります。
特に運動習慣がなかった人にとっては、毎日のトレーニングは心身ともに大きな負担です。
まずは週に2回から3回、1回の時間は15分からでも構いませんので、確実に実行できるペースから始めましょう。
そして、体が慣れてきたり、体力がついてきたりするのに合わせて、少しずつ頻度や時間を増やしていくのが理想的です。
完璧を目指すのではなく、まずは「続けること」を目標に設定し、生活の中に運動が自然に溶け込むような、無理のないペースを見つけることが大切です。
筋トレと合わせて実践したい子宮筋腫のセルフケア
適度な筋トレは子宮筋腫の進行抑制や症状緩和に役立ちますが、その効果をより高めるためには、運動以外の生活習慣を見直すことも非常に重要です。
特に、食事や睡眠はホルモンバランスや体のコンディションに直接影響を与えます。
運動によるアプローチと、日々のセルフケアを組み合わせることで、体質改善はより効果的に進みます。
ここでは、筋トレと並行してぜひ実践したい、日常生活で簡単に取り入れられるセルフケアの方法を紹介します。
体を温める食事を意識的に取り入れる
体の冷えは万病のもとと言われるように、血行不良を招き、子宮筋腫の症状悪化につながる可能性があります。
そのため、体を内側から温める食事を日常的に意識することが大切です。
食材としては、生姜、にんにく、ネギ、玉ねぎなどの香味野菜や、ごぼう、人参、かぼちゃといった根菜類がおすすめです。
調理法も、生野菜のサラダよりは温野菜やスープにするなど、加熱したものを中心に摂ると良いでしょう。
逆に、冷たい飲み物、アイスクリーム、白砂糖を多く含むお菓子、夏野菜などは体を冷やす性質があるため、摂りすぎには注意が必要です。
温かいルイボスティーなどを取り入れるのも手軽な方法です。
質の良い睡眠でストレスを溜めない生活を送る
睡眠不足や質の低い睡眠は、自律神経の乱れを招き、ホルモンバランスに悪影響を及ぼす大きな要因です。
ホルモンバランスが乱れると、子宮筋腫の成長を促進してしまう可能性があります。
毎日決まった時間に就寝・起床する習慣をつけ、体内リズムを整えましょう。
質の良い睡眠のためには、就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を控え、ブルーライトを避けることが効果的です。
また、ぬるめのお湯にゆっくり浸かってリラックスしたり、好きな音楽を聴いたりする時間も、心身の緊張をほぐし、ストレス軽減に役立ちます。
ストレスを上手に管理し、十分な休息をとることが、健やかな体を保つための土台となります。
子宮筋腫と筋トレに関するよくある質問
ここまで子宮筋腫と筋トレの関係について解説してきましたが、まだ具体的な疑問が残っているかもしれません。
このセクションでは、特に多く寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。
運動を続けることで筋腫が小さくなる可能性はあるのか、具体的に避けるべき種目は何か、運動以外にできることはあるのかといった、読者が知りたいであろうポイントに絞って簡潔に回答します。
自身の状況と照らし合わせながら、参考にしてください。
Q1. 運動を続けたら子宮筋腫が小さくなる可能性はありますか?
運動だけで子宮筋腫が小さくなる、あるいは消えるという直接的な医学的根拠はありません。
しかし、適度な運動を続けることで血行が促進されたり、ホルモンバランスが整ったりすることは、筋腫の成長を抑制し、過多月経や月経痛などの症状を緩和する効果が期待できます。
Q2. 子宮筋腫がある場合、特に避けるべき筋トレの種目は何ですか?
腹部に強い圧力がかかる腹筋運動や、重い重量を扱う高負荷のウエイトトレーニングは避けるべきです。
これらの運動は子宮を過度に刺激し、痛みや不正出血といった症状を悪化させるリスクがあります。
体に負担の少ない緩やかな運動を選びましょう。
Q3. 運動以外に、子宮筋腫の進行を抑えるために自分でできることはありますか?
体を温める食事を心がけ、質の良い睡眠でストレスを管理することが大切です。
特に体の冷えは血行不良を招き、症状を悪化させる一因になります。
食生活や入浴習慣を見直し、体を内側から温める工夫を取り入れることや、リラックスできる時間を持つことが推奨されます。
まとめ
筋トレだけで子宮筋腫をなくすことは、現在の医学では困難とされています。
筋トレは子宮筋腫の直接的な治療法ではありません。
しかし、ウォーキングや緩やかなスクワットなどの適度な運動は、血行を促進し、ホルモンバランスを整える助けとなります。
これにより、筋腫の成長を緩やかにしたり、月経痛などのつらい症状を緩和したりする効果は期待できます。
一方で、腹部に強い圧力がかかる腹筋運動や高負荷のトレーニングは、症状を悪化させる可能性があるため避けるべきです。
最も重要なのは、自身の体調と向き合い、無理のない範囲で継続することです。
運動に関して不安な点や、気になる症状がある場合は、自己判断せず必ず専門の医師に相談してください。
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