公開日:2026.02.14 更新日:2026.02.13

坐骨神経痛によるつらい痛みやしびれを和らげる方法として、坐骨神経痛に効くお灸が注目されています。
この記事では、セルフケアで坐骨神経痛の症状緩和に効果が期待できるツボの場所や、市販のお灸を使った正しいやり方を詳しく解説します。
自分に合ったツボを見つけ、安全な方法で実践することで、症状の軽減を目指しましょう。
坐骨神経痛のつらい症状にお灸が効く理由
お灸は、艾(もぐさ)を燃やした熱でツボを温める伝統的な治療法です。
坐骨神経痛に対して鍼灸治療が用いられるのは、温熱刺激によって筋肉の緊張を和らげ、血行を促進する効果が期待できるためです。
血流が改善されることで、痛みやしびれの原因となる神経の圧迫が軽減され、痛みを脳に伝える神経の働きを抑制する作用も見込めます。
さらに、リラックス作用により自律神経のバランスが整うことも、症状緩和につながる一因と考えられています。
【症状・部位別】坐骨神経痛に効果的なツボの位置
坐骨神経痛の痛みやしびれは、お尻から足にかけてさまざまな場所にあらわれます。
そのため、症状が出ている部位に応じて適切な坐骨神経痛のツボを選ぶことが大切です。
ここでは、お尻周り、太もも、ふくらはぎ、足首といった部位別に、効果的なツボの場所と探し方を解説します。
自分の症状に合ったツボを見つけて、的なアプローチしましょう。
お尻まわりの痛みやしびれにアプローチするツボ
お尻まわりに痛みやしびれを感じる場合、股関節周辺や臀部の血行を促進するツボが有効です。
坐骨神経が圧迫されやすい部位であるため、ここの筋肉の緊張を和らげることが症状緩和につながります。
お灸で持続的に温めることで、深層部の筋肉までアプローチし、神経への負担を軽減する効果が期待できます。
特にデスクワークなどで長時間座っていることが多い人におすすめのツボです。
環跳(かんちょう):お尻の横にあるくぼみが目印
環跳は、お尻の横、力を入れたときにできるえくぼのような凹み部分に位置します。
見つけるには、まず横向きに寝て、上側の脚を少し曲げます。
股関節の骨の出っ張り(大転子)と、お尻の骨(仙骨)の一番下を結んだ線をイメージし、その線を3等分した外側3分の1の点が目安です。
このツボは坐骨神経痛の代表的な特効穴とされ、お尻から太ももの外側にかけての痛みやしびれを和らげる効果が期待できます。
承扶(しょうふ):お尻と太ももの境目にある痛み緩和のツボ
承扶は、お尻と太ももの境目にあるシワの真ん中に位置するツボです。
立った姿勢でお尻に力を入れると、お尻の膨らみの下にくぼみができるので、その中心あたりが目安となります。
このツボは、坐骨神経の通り道にあり、お尻や太ももの裏側の痛み、しびれの緩和に効果的とされています。
デスクワークなどで圧迫されやすい部位のため、温めることで血行を促し、神経の圧迫を和らげる働きが期待できます。
太ももから膝裏にかけての痛みに効くツボ
太ももの裏側や膝裏に痛みやしびれが広がる場合は、大腿部から膝窩部にかけての血行を促進するツボへのアプローチが有効です。
このエリアの筋肉が硬くなると、坐骨神経が圧迫されやすくなります。
お灸でこれらのツボを刺激することで、筋肉の緊張を和らげ、神経の通り道をスムーズにすることが期待できます。
特に、歩行時や屈伸時に痛みを感じる場合に試したいツボです。
殷門(いんもん):太ももの裏側中央の痛みに
殷門は、太ももの裏側の中央に位置します。
前述の承扶と、後述する委中を結んだ線のちょうど真ん中にあります。
うつ伏せになり、膝を軽く曲げた状態で探すと見つけやすいです。
このツボは、太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)の緊張を和らげ、坐骨神経痛による太ももの痛みやしびれ、こわばりの緩和に効果が期待されます。
長時間の立ち仕事やスポーツで足に負担がかかっている場合にも有効です。
委中(いちゅう):膝裏のしびれや痛みを和らげる
委中は、膝を曲げたときにできる膝裏の横ジワのちょうど真ん中に位置します。
指で押すと脈を感じる場所が目安です。
このツボは、腰から足にかけての痛みやしびれに広く効果があるとされ、「腰背は委中に求む」という言葉があるほど重要なツボとして知られています。
特に膝裏の痛みやこわばり、ふくらはぎのしびれなど、下半身の症状全般の緩和に役立ちます。
ふくらはぎから足首のしびれに対応するツボ
坐骨神経痛の症状がふくらはぎや足首、足先にまで及ぶ場合、膝から下にあるツボへの刺激が効果的です。
この部分の筋肉の緊張や血行不良は、しびれや冷えの原因となります。
足にあるツボをお灸で温めることで、末端までの血流を促し、神経の働きを整える効果が期待できます。
長時間の立ち仕事や歩行で足が疲れやすい人にもおすすめのケアです。
陽陵泉(ようりょうせん):膝の外側下にある足のしびれに効くツボ
陽陵泉は、膝の外側、少し下にある骨の出っ張り(腓骨頭)のすぐ手前下のくぼみに位置します。
椅子に座って膝を立て、膝の外側をなでるように指を下げていくと、骨の出っ張りのすぐ下でくぼみが見つかります。
このツボは筋肉の緊張を和らげる作用があるとされ、坐骨神経痛によるふくらはぎの外側の痛みやしびれ、足首の動かしにくさなどを緩和する効果が期待できます。
金門(きんもん):足首の外側の痛みやしびれに
金門は、足の外側、外くるぶしの前下方にあるくぼみに位置するツボです。
足の小指側の側面で、かかとの骨と足の甲の骨の間のくぼみを探します。
このツボは、特に足首から先の痛みやしびれ、坐骨神経痛にともなう足の外側の症状緩和に効果的です。
また、腰痛にも関連が深いとされており、金門への刺激が腰の緊張を和らげることにもつながります。
腰の痛みを伴う場合に有効な手のツボ
坐骨神経痛は腰痛を伴うことが多く、腰に直接お灸をするのが難しい場合もあります。
そのような時には、手にあるツボを活用するのが有効です。
東洋医学では、体はつながっていると考えられており、手にある腰の反射区を刺激することで、離れた場所にある腰の痛みを緩和する効果が期待できます。
「遠隔治療」とも呼ばれるこの方法は、手軽にどこでも行えるのが利点です。
腰腿点(ようたいてん):急な腰の痛みに対応する手の甲のツボ
腰腿点は、手の甲にあるツボで、左右に2点ずつ存在します。
1つは人差し指と中指の骨が交わる手前のくぼみ、もう1つは薬指と小指の骨が交わる手前のくぼみにあります。
ぎっくり腰のような急な腰痛の特効穴として知られていますが、坐骨神経痛にともなう腰の痛みにも効果が期待できます。
腰を直接刺激するのが難しい時や、外出先で痛みが出た時に指で押して刺激するだけでも症状緩和に役立ちます。
自宅で簡単!お灸を使ったセルフケアの具体的なやり方
市販の台座灸を使えば、誰でも手軽に自宅でセルフケアが可能です。
火を使うタイプだけでなく、熱源がカイロのように発熱する火を使わないお灸もあり、煙や火の管理が心配な人でも安心して試せます。
ここでは、お灸の準備から据え方、終わりのタイミングまで、初心者でも安全に実践できる具体的な手順を4つのステップに分けて解説します。
ステップ1:市販のお灸と必要な道具を準備する
まず、ドラッグストアなどで市販されている台座灸を用意します。
せんねん灸など、熱さのレベルが選べる製品が多いため、初心者は「ソフト」や「レギュラー」といった熱さの弱いタイプから始めると安心です。
お灸の他に、火をつけるためのライターやマッチ、使用後の灰皿、そしてピンセットを用意しておくと、熱くなったお灸を安全に取り外す際に便利です。
火の管理には十分注意し、燃えやすいものの近くでは行わないようにしましょう。
ステップ2:温めたいツボの正確な場所を見つける
お灸を据える前に、温めたいつぼの正確な場所を探します。
この記事で紹介したツボの位置を参考に、指で周辺をゆっくり押してみてください。
他の場所と比べて、少しへこんでいる、押すとズーンと響くような痛みを感じる、逆に気持ちいいと感じるなど、何らかの反応がある場所があなたのつぼです。
正確な位置に据えることで効果が高まるため、焦らずにじっくりと探しましょう。
ステップ3:お灸のシールを剥がして火をつける
お灸を据える準備ができたら、台座の裏についているシールを剥がします。
次に、艾の部分にライターや線香で火をつけます。
火が艾にしっかりと移り、先端から煙が出ていることを確認してください。
火がつきにくい場合は、艾を少しほぐすとつきやすくなります。
火傷をしないように、火の取り扱いには十分注意し、風のない安定した場所で行うことが重要です。
つけ終わったら速やかにツボの上に置きます。
ステップ4:ツボの上にお灸を置いて熱を感じるまで待つ
火をつけたお灸を、先ほど見つけたツボの上に正確に置きます。
台座があるため、艾が直接肌に触れることはありません。
お灸を置いてから数分すると、じんわりとした温かさを感じ始め、徐々に熱が強くなっていきます。
熱さがピークに達し、「熱い」と感じ始めたら、それがお灸を取り外すタイミングです。
我慢せず、ピンセットなどを使って慎重に取り外し、火が完全に消えていることを灰皿の上で確認してください。
お灸の効果を高めるためのポイントと注意点
お灸は手軽なセルフケアですが、効果を最大限に引き出し、安全に行うためにはいくつかのポイントと注意点があります。
特に、やけどの防止は最も重要です。
また、お灸を行うタイミングや体の状態によっては、効果が半減したり、かえって体調を崩したりする可能性もあります。
ここでは、妊婦の方を含め、誰でも安全にお灸を続けるための注意点を解説します。
やけどを防ぐために熱さを絶対に我慢しない
お灸で最も注意すべき点はやけどです。
台座灸は安全に配慮されていますが、熱さを我慢しすぎると水ぶくれや跡が残る原因となります。
「熱い」と感じたら、すぐにお灸を皮膚から取り外してください。
特に初めて使用する場合や、皮膚の薄い場所に据える際は、熱さを感じやすいことがあります。
熱さと効果は必ずしも比例しないため、心地よい温かさを感じる程度で十分な効果が期待できます。
リラックスできる時間帯や入浴後に行うのがおすすめ
お灸は、心身ともにリラックスした状態で行うことが望ましいです。副交感神経が優位になることで、血行が促進されやすくなります。ただし、入浴直後のお灸は熱く感じやすく、体に負担をかける可能性があるため避けるべきです。入浴前後1時間程度は間隔を空けることが推奨されています。
就寝前など、気持ちが落ち着いている時間帯を選ぶのも良いでしょう。リラックスできる環境を整え、焦らずゆっくりと行うことが、症状緩和への近道です。
食後1時間以内や飲酒後のお灸は控える
食後すぐの時間帯は、消化のために血液が胃腸に集中しています。
このタイミングでお灸を行うと、全身の血行に影響を与え、消化不良や気分が悪くなる原因となる可能性があります。
そのため、食後1時間程度は避けるのが望ましいです。
また、飲酒後もお灸は控えるべきです。
アルコールによって血行が良くなっている状態でお灸をすると、血流が過度に促進され、動悸やのぼせを引き起こす危険性があります。
症状が改善しない場合は無理せず専門家に相談する
セルフケアでお灸を続けても症状が改善しない、あるいは悪化する場合は、自己判断で続けるのは危険です。
坐骨神経痛の原因はさまざまで、中には椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、専門的な治療が必要な疾患が隠れている可能性もあります。
痛みが強い場合や、しびれが広がる、力が入らないといった症状が見られる際は、無理せず整形外科や鍼灸院などの専門家に相談し、適切な診断と治療を受けることが重要です。
坐骨神経痛のお灸に関するよくある質問
坐骨神経痛のセルフケアとしてお灸を始めるにあたり、多くの人が疑問や不安を感じることがあります。
例えば、お灸を行う頻度や熱さの加減、症状が悪化する可能性についてなどです。
ここでは、坐骨神経痛のお灸に関して特に多く寄せられる質問に、Q&A形式でわかりやすくお答えします。
ヘルニアなど特定の原因がある場合の注意点にも触れていきます。
Q1. お灸は毎日行っても大丈夫ですか?
お灸は基本的に毎日行っても問題ありません。
継続することで血行が促進され、症状が安定しやすくなります。
ただし、同じ場所に続けると皮膚が疲労し、低温やけどのリスクが高まるため、肌に赤みやかゆみが出た場合は1〜2日休みましょう。
1日1回、心地よいと感じる範囲で続けるのがおすすめです。
Q2. お灸は熱ければ熱いほど効果が高まりますか?
お灸の熱さと効果は必ずしも比例しません。
熱さを我慢しすぎると、やけどのリスクが高まるだけで、治療効果が上がるわけではありません。
大切なのは、艾の熱が深部までじっくりと伝わることです。
「心地よい温かさ」を感じる程度が最も効果的であり、リラックス効果も高まります。
Q3. お灸を使うことで症状が悪化するケースはありますか?
炎症が強く、熱を持っている「急性期」の坐骨神経痛にお灸をすると、炎症を助長して症状が悪化する可能性があります。
また、椎間板ヘルニアなどで神経の炎症が激しい場合も注意が必要です。
もしお灸の後に痛みやしびれが増すようなら、すぐに中止し専門家に相談してください。
まとめ
坐骨神経痛のセルフケアとして、お灸は血行を促進し筋肉の緊張を和らげることで、痛みやしびれの緩和に効果が期待できます。
効果的なツボは症状の出る場所によって異なり、お尻の「環跳」や膝裏の「委中」などが代表的です。
市販のお灸を使えば自宅で手軽に実践できますが、熱さを我慢しない、食後や飲酒後は避けるといった注意点を守ることが重要です。
セルフケアで改善しない場合は、専門家への相談が必要です。
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