公開日:2026.01.18 更新日:2026.01.18

お尻の痛みや違和感、出血など、痔の症状はつらく、誰にも相談しにくい悩みのひとつです。
特に座っている時の痛みは仕事や生活にも支障をきたします。
この記事では、いぼ痔などのつらい症状を緩和するために、東洋医学に基づいた効果的なツボとその押し方を紹介します。
自宅で手軽にできるセルフケアとして、ツボ押しを取り入れてみませんか。
症状別の特効ツボから、根本的な体質改善を目指すツボまで、具体的な方法を解説します。
痔のつらい症状緩和にツボ押しが効果的な理由
東洋医学において、痔は肛門周りの血行不良や体の冷え、便秘などが原因で起こると考えられています。
ツボ押しは、これらの原因にアプローチし、体全体のバランスを整えることで症状を緩和します。
特定のツボを刺激することで、滞っていた気や血の流れをスムーズにし、肛門周辺のうっ血を改善する効果が期待できるのです。
また、自律神経を整えて内臓の働きを正常化したり、関連する筋肉の緊張をほぐしたりする作用もあります。
薬のような副作用の心配が少なく、手軽なマッサージ感覚で始められるセルフケアとして、つらい症状の緩和に役立ちます。
【症状別】今すぐ押したい!痔に効く特効ツボ4選
痔の症状は、ズキズキとした痛みや出血、お尻周りの不快感など、人によってさまざまです。
ここでは、代表的な症状に対応する4つの特効ツボを紹介します。
いぼ痔の痛みや切れ痔の出血、脱肛など、今抱えている悩みに合わせて適切なツボを選び、刺激することで、つらい症状の即時的な緩和が期待できます。
それぞれのツボの正確な位置と効果的な押し方を理解し、セルフケアに役立てましょう。
いぼ痔のズキズキする痛みを和らげる「孔最(こうさい)」
孔最(こうさい)は、痔の特効穴として知られ、特にいぼ痔の急な痛みや腫れ、出血の緩和に効果が期待できるツボです。
場所は、腕の内側にあり、手のひらを上に向けた状態で、肘を軽く曲げたときにできるシワから指4本分下(指先側)の親指側に位置します。
見つけにくい場合は、その周辺を指で押してみて、少し痛みを感じる場所を探してみてください。
押す際は、親指の腹をツボに当て、息を吐きながらゆっくりと5秒ほど圧をかけ、息を吸いながら力を抜く動作を数回繰り返します。
デスクワーク中など、座ったままでも押しやすい場所にあるため、痛みを感じた時にすぐにケアできるのが特徴です。
切れ痔による出血を止める効果が期待できる「承山(しょうざん)」
承山(しょうざん)は、ふくらはぎにあるツボで、特に切れ痔の出血を抑える効果があるとされています。
このツボは、アキレス腱からふくらはぎの筋肉に沿って上がっていき、筋肉と腱の境目にあたるくぼみに位置します。
つま先立ちをすると、ふくらはぎの筋肉が「へ」の字のように浮き出るので、その頂点を目安にすると見つけやすいです。
押す際は、両手の親指を重ねてツボに当て、体を少し前に傾けて体重をかけながら、息を吐きながらゆっくりと圧を加えてください。
承山は肛門周りの血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる働きもあるため、痔全般の症状緩和や、こむら返りの予防にもつながります。
お尻周りの血行を促進し違和感を改善する「長強(ちょうきょう)」
長強(ちょうきょう)は、お尻にあるツボで、肛門周辺の血行を直接的に促進し、痔の痛みや腫れ、かゆみといった不快な症状を和らげる効果があります。
このツボは、尾てい骨の先端と肛門のちょうど中間に位置します。
正確な場所が分かりにくいかもしれませんが、うつ伏せになり、尾てい骨の最も下の硬い部分を確認し、そこから少し肛門側へ指をずらしたくぼみが長強です。
刺激する際は、人差し指か中指の腹を当て、気持ち良いと感じる程度の強さで、ゆっくりと円を描くように押したり、垂直に圧を加えたりします。
デリケートな部分なので、強く押しすぎず、入浴中など体が温まってリラックスしている時に行うのがおすすめです。
内臓の働きを整え脱肛をケアする「百会(ひゃくえ)」
百会は頭のてっぺんにあるツボで、「多くのエネルギーが交わる場所」という意味を持ちます。
自律神経を整え、内臓下垂、特に脱肛を引き上げる効果が期待できることで知られています。
場所は、左右の耳の穴を結んだ線と、顔の中心線(眉間から鼻を通る線)が交差する、頭頂部の少しへこんだ部分です。
両手の中指を重ねてツボに当て、息を吐きながら心地よいと感じる強さで、垂直にゆっくりと5秒ほど押してみてください。
百会はストレスの緩和やリラックス効果も高いため、痔の原因となりうる精神的な緊張を和らげるのにも役立ちます。
全身の血行促進にもつながる万能のツボです。
初心者でも簡単!ツボ押しの効果を高める3つのコツ
ツボ押しは誰でも手軽に始められるセルフケアですが、いくつかのポイントを押さえることで、その効果をより一層高めることができます。
ただ闇雲に押すのではなく、正しい呼吸法や適切な力加減、そして最適なタイミングを知ることが重要です。
これから紹介する3つの簡単なコツを実践するだけで、ツボへの刺激が深まり、血行促進や症状緩和の効果を最大限に引き出すことが可能になります。
ぜひ今日から取り入れてみてください。
息を吐きながら5秒かけてゆっくり押す
ツボ押しの効果を高める基本は、呼吸と合わせることです。
指でツボを捉えたら、まずはゆっくりと息を吸い、次に息を吐きながら5秒ほどかけてじっくりと圧を加えていきます。
息を吐くと副交感神経が優位になり、筋肉の緊張が和らぐため、刺激が体の深部まで届きやすくなります。
逆に、息を吸いながら力を加えると体が緊張し、効果が半減してしまう可能性があります。
力を抜く時も同様に、ゆっくりと息を吸いながら指の力を抜いてください。
この「吐きながら押し、吸いながら戻す」という一連の動作を、1つのツボにつき5回から10回程度繰り返すのが効果的です。
「痛気持ちいい」と感じる強さで刺激する
ツボを押す際の力加減は、非常に重要です。
「痛いほど効果がある」というのは間違いで、強すぎる刺激はかえって筋肉を緊張させたり、組織を傷つけたりする原因になりかねません。
最適な強さは、押したときに「痛いけれど気持ちいい」と感じる程度です。
この「痛気持ちいい」感覚は、ツボに的確に刺激が届いているサインでもあります。
指の腹を使い、垂直にゆっくりと圧をかけていき、その感覚が得られるポイントで力を保持してください。
もし強い痛みや不快感を感じる場合は、力が強すぎるか、ツボの位置がずれている可能性があるので、一度力を緩めて場所や強さを調整することが大切です。
お風呂上がりなど体が温まっている時に行う
ツボ押しを行うタイミングとして最も効果的なのは、お風呂上がりなど体が温まっている時です。
入浴によって全身の血行が促進され、筋肉の緊張がほぐれているため、ツボへの刺激がより深く伝わりやすくなります。
リラックスした状態で行うことで、ツボ押しの効果を最大限に引き出すことができます。
また、就寝前に行うと、副交感神経が優位になり、心身ともにリラックスして質の良い睡眠につながるという利点もあります。
逆に、食後すぐや飲酒後、体調が優れない時は、体に負担をかける可能性があるためツボ押しは避けた方が良いでしょう。
血行が良くなっているタイミングを狙って実践してみてください。
痔の根本原因にアプローチ!体質改善を目指すツボ
痔の症状を一時的に和らげるだけでなく、再発しにくい体質へと改善していくことも大切です。
東洋医学では、痔の根本原因として便秘や下半身の冷えが大きく関係していると考えられています。
これらの問題を解消することは、痔の予防と根本治療につながります。
ここでは、お腹の調子を整えて便通を改善するツボと、下半身を温めて血行を促進するツボを紹介します。
日々のセルフケアに取り入れることで、つらい症状の再発防止を目指しましょう。
便秘解消をサポートするお腹のツボ「天枢(てんすう)」
天枢(てんすう)は、大腸の働きを活発にし、便秘の解消をサポートする重要なツボです。
便秘は、硬い便が肛門を傷つけたり、排便時のいきみで肛門に負担をかけたりするため、痔の大きな原因となります。
天枢の場所は、おへその両脇、指3本分外側にあります。
仰向けに寝て膝を立てると、お腹の力が抜けて押しやすくなります。
両手の中指を左右それぞれのツボに当て、息を吐きながらゆっくりとお腹が少しへこむくらいの強さで押してください。
5秒ほど押し続け、息を吸いながら力を抜く動作を繰り返します。
また、時計回りに円を描くようにお腹全体をマッサージするのも効果的です。
毎日の習慣にすることで、腸の動きが整い、自然な便通が促されます。
下半身の冷えを取り血流を促す足のツボ「三陰交(さんいんこう)」
三陰交(さんいんこう)は、特に女性の健康に良いとされるツボですが、男女問わず下半身の冷え改善に効果を発揮します。
体の冷え、特に足腰の冷えは、肛門周辺を含む下半身全体の血行不良を引き起こし、痔の悪化や再発の原因となります。
三陰交の場所は、足の内くるぶしの一番高いところに小指を置き、そこから指4本分上の、すねの骨の際にあります。
押すと少し痛みを感じる部分です。
親指で骨に向かってじっくりと圧を加えたり、円を描くようにもみほぐしたりすると良いでしょう。
このツボを刺激することで、下半身の血流が促され、冷えが改善されます。
ホルモンバランスを整える働きもあるため、継続的にケアすることがおすすめです。
ツボ押しと併用したい!今日からできる痔のセルフケア
ツボ押しは痔の症状緩和に有効ですが、その効果をさらに高め、根本的な改善を目指すためには、生活習慣の見直しが欠かせません。
食事や姿勢、衛生習慣など、日々の暮らしの中に痔の原因は潜んでいます。
ツボ押しによる対症療法と並行して、これから紹介するセルフケアを実践することで、痔の予防と再発防止につながる体づくりができます。
今日から手軽に始められることばかりなので、ぜひ意識して取り組んでみてください。
食物繊維と水分を意識した食生活を心がける
痔の最大の原因の一つである便秘を解消するためには、食生活の改善が不可欠です。
便の硬さを和らげ、スムーズな排便を促すためには、食物繊維と水分を十分に摂取することが基本となります。
食物繊維は、野菜、果物、きのこ、海藻類、玄米などに豊富に含まれています。
これらの食材を毎日の食事にバランス良く取り入れ、便のかさを増やしましょう。
また、便を柔らかくするためには水分も重要です。
一度に大量に飲むのではなく、こまめに水分補給する習慣をつけ、1日に1.5リットルから2リットルを目安に摂取してください。
特に朝起きてすぐにコップ一杯の水を飲むと、腸が刺激され、便意を催しやすくなります。
長時間同じ姿勢でいることを避ける
デスクワークや長距離運転など、長時間座りっぱなしの姿勢は、肛門周辺の血流を悪化させ、うっ血を引き起こす大きな原因となります。
これは、痔の発症や悪化に直結します。
可能であれば、1時間に1回は立ち上がって軽いストレッチをしたり、少し歩き回ったりして、お尻にかかる圧力を解放する時間を作りましょう。
また、長時間立ちっぱなしの仕事も同様に下半身に血液が滞りやすくなるため、時々屈伸運動をするなど、姿勢を変える工夫が必要です。
就寝時には、うつ伏せで寝るか、膝の下にクッションを入れると肛門への圧迫を軽減できます。
日頃から意識的に体を動かし、血行を滞らせない生活を心がけることが重要です。
お尻を清潔に保ち温める
肛門周辺を清潔に保つことは、細菌の繁殖を防ぎ、痔の悪化や感染症を予防するために非常に重要です。
排便後は、トイレットペーパーで強くこするのではなく、温水洗浄便座を使用するか、優しく拭き取るようにしましょう。
お風呂では、石鹸でゴシゴシ洗うと必要な皮脂まで落としてしまうため、ぬるま湯で優しく洗い流す程度で十分です。
また、お尻を温めることも血行促進に繋がり、症状の緩和に効果的です。
毎日の入浴で湯船にゆっくりと浸かる習慣をつけましょう。
シャワーだけで済ませず、湯船で体を芯から温めることで、肛門周りの筋肉の緊張がほぐれ、痛みが和らぎます。
使い捨てカイロを下着の上から貼って腰回りを温めるのも手軽な方法です。
セルフケアで改善しない場合は早めに専門医へ相談を
ツボ押しや生活習慣の改善といったセルフケアは、多くの痔の症状緩和に有効ですが、それだけで改善が見られない場合や、症状が悪化するケースも存在します。
例えば、排便時の出血が続く、痛みが日に日に強くなる、いぼが大きくなる、常に脱出したまま戻らないなどの症状がある場合は、自己判断で対処を続けるのは危険です。
これらの症状の背後には、治療が必要な進行した痔や、まれに大腸がんなどの重篤な病気が隠れている可能性も否定できません。
セルフケアを1〜2週間続けても変化がない、あるいは悪化するようであれば、ためらわずに肛門科や消化器外科など、専門の医療機関を受診してください。
痔に効くツボに関するよくある質問
痔に効くツボについて、多くの方が疑問に思う点や不安に感じる点をまとめました。
ツボ押しの効果が現れるまでの時間や、妊娠中・産後のケア、お灸との併用など、よくある質問にお答えします。
セルフケアを始める前に、これらの情報を参考にすることで、より安心してツボ押しに取り組むことができるでしょう。
疑問点を解消し、効果的なセルフケアを実践しましょう。
Q1. ツボを押してからどれくらいで効果が出ますか?
ツボ押しの効果の現れ方には個人差があります。
急性の強い痛みの場合、孔最などの特効ツボを押すことで、数分から数十分で痛みが和らぐ即効性が期待できることもあります。
しかし、慢性的な症状や体質改善が目的の場合は、一度の刺激で完治するわけではありません。
毎日継続して行うことで、徐々に血行が改善され、症状が緩和されていくのが一般的です。
まずは1〜2週間、毎日続けて様子を見ることをおすすめします。
Q2. 妊娠中や産後の痔にもツボ押しは効果がありますか?
妊娠中や産後はホルモンバランスの変化や体の負担から痔になりやすく、ツボ押しは有効なケアの一つです。
ただし、体に強く作用する一部のツボは、妊娠中は避けるべきとされています。
特に、子宮の収縮を促す可能性がある三陰交(さんいんこう)など、下半身のツボを強く刺激するのは控えてください。
比較的安全な腕の孔最(こうさい)や頭の百会(ひゃくえ)などを、優しく刺激する程度に留め、不安な場合は必ずかかりつけの医師や専門家に相談しましょう。
Q3. ツボ押しと合わせてお灸を使うとより効果的ですか?
ツボ押しとお灸を併用することは、痔の症状緩和に非常に効果的です。
ツボ押しが物理的な刺激で血行を促すのに対し、お灸は熱の力でツボを温め、より深部から血流を改善し、自然治癒力を高める作用が期待できます。
特に冷えが原因となっている痔の場合、温熱刺激が加わることで痛みが和らぎやすくなります。
市販の台座灸などを使えば自宅でも手軽に行えますが、火傷には十分注意し、説明書をよく読んでから使用してください。
まとめ
この記事では、痔のつらい症状を緩和するためのツボとその押し方について解説しました。
いぼ痔の痛みには「孔最」、切れ痔の出血には「承山」、お尻の違和感には「長強」、脱肛には「百会」といった特効ツボが有効です。
また、根本的な体質改善のためには、便秘に効く「天枢」や冷えを改善する「三陰交」の刺激も推奨されます。
ツボ押しの効果を高めるには、呼吸に合わせてゆっくり押し、体が温まっている時に行うことがポイントです。
これらのセルフケアと並行して、生活習慣を見直すことも重要ですが、症状が改善しない場合は専門医への相談が必要です。









